グルテンフリーの食事に興味があるけれど、どの食材を選べばよいのか分からない、という方は少なくないでしょう。そこで今回は、グルテンフリーの食事におすすめの食材「オートミール」について詳しく説明していきます。
目次
1:グルテンフリーとは
グルテンフリーとは、小麦などのたんぱく質成分「グルテン」を含まない食事のことを指します。これは、グルテンが原因でアレルギー反応や不快な症状が起こる人々から支持されている食事スタイルです。
グルテンフリーは、健康増進にも役立ちます。例えば、糖尿病管理や体重管理のためにグルテンフリーを採用する人々もいます。また、アスリートやフィットネス愛好家のなかには、グルテンフリーが筋肉の回復やパフォーマンス向上に有効であると考える人もいるのです。
2:オートミールとは
オートミールは、オーツ麦(エンバク)を食べやすく加工したものです。豊富な食物繊維、ミネラル、ビタミン類が含まれており、健康によい食材として知られています。昔から人々に親しまれてきた食材ですが、最近ではその優れた栄養価からスーパーフードとして注目されています。
オートミールを食べると、豊富な食物繊維のおかげで腸内環境が整うため、便秘解消に効果的です。さらに、消化吸収がゆっくりとおこなわれて、満腹感が長時間持続します。食物繊維には、血糖値を安定させるはたらきもあります。血糖値の急激な上昇をおさえ、インスリンの分泌を調整するため、糖尿病予防や血糖値コントロールにも役立つでしょう。
オートミールは調理が手軽で、さまざまな料理に活用できます。朝食のシリアルに、パンケーキやクッキーの材料に、スムージーやヨーグルトのトッピングにと大活躍します。
3:オートミールでグルテンが含まれていることはある?
ここでは、オートミールとグルテンフリーの関係について詳しく解説します。
- 3-1: 基本的にはグルテンフリー
- 3-2: 製造工程などで小麦が混入している可能性も
- 3-3: 見分け方は成分表をチェック
3-1:基本的にはグルテンフリー
オートミール自体は基本的にグルテンフリーです。これはオートミールの原料であるオーツ麦は、小麦とは異なり、グルテンをほとんど含んでいないためです。
3-2:製造工程などで小麦が混入している可能性も
しかし、一部のオートミール製品では、製造工程で小麦などのグルテンを含む穀物が混入している可能性があります。そのため、完全にグルテンを避けたい人は、パッケージに記載されている成分表をよく確認してください。例えば、オートミールのパッケージに「小麦加工場で製造されました」といった表示がされていれば、グルテンに敏感な人は避けるべきでしょう。
製造過程では、機械の洗浄不良や異物混入のリスクも考えられます。そのため、製造工場が厳格な清掃プロセスを導入しているか、製造中のグルテン混入を防止する対策が取られているかもチェックできればより安心です。
3-3:見分け方は成分表をチェック
オートミールに含まれるグルテンの有無は、製品のパッケージに表示されている成分表を見ると確認できます。「同じ工場内で小麦製品を製造しています」といった表示がない商品、グルテンフリーと明記されている商品を選ぶことで、確実にグルテンを避けられます。
4:オートミールの欠点/デメリットも事前に把握しておこう
グルテンを含まず健康効果が期待できるオートミールですが、デメリットも存在します。食生活へ取り入れる前に、欠点やデメリットも把握しておきましょう。
- 4-1: 糖質は少ないが、カロリーは高い
- 4-2: 食べるのに多少の手間がかかる
- 4-3: 豊富な食物繊維で便秘や下痢になることも
4-1:糖質は少ないが、カロリーは高い
オートミールは糖質が少なく食物繊維が豊富なため、ダイエット向きの食材であるといわれていますが、一方でカロリーはあまり低くありません。そのため、摂取量には注意が必要です。
オートミール100g当たりのカロリーは350kcalで、米や小麦粉とほとんど変わりません。普段の食事にオートミールをプラスすれば、摂取カロリーが増えてしまいます。ダイエット中の人は、カロリーコントロールが重要です。オートミールは、1回の食事で30g程度の摂取が適量とされています。ダイエット中にオートミールを食べる場合は、摂取量に注意しながら、米やパンとの置き換えに利用しましょう。
グルテンフリーダイエットについては「グルテンフリーダイエットで痩せる理由とは?注意点や具体的なやり方まで紹介」で解説しています。あわせて読んでみてください。
4-2:食べるのに多少の手間がかかる
オートミールはそのまま食べるには固く、事前に水や牛乳に浸したり、煮込んだりする必要があります。そのため、オートミールを食べるのは手間がかかると感じる人がいるかもしれません。オートミールは水や牛乳にしばらく浸すと、粥状にやわらかくなります。適量のオートミールをボウルに入れ、水や牛乳をオートミールが完全に浸るまで注ぎます。ボウルにラップを被せて冷蔵庫に数時間放置すると、オートミールがやわらかくなり、食べやすい状態に変わるのです。
ただし、この方法は時間がかかるため、忙しい朝や外出先では手軽に食べられません。効率的に作るなら、前日の夜にオートミールを浸しておきましょう。朝起きたときにはすでにやわらかくなっているため、すぐに食べられます。
4-3:豊富な食物繊維で便秘や下痢になることも
食物繊維を摂りすぎると便秘や下痢になることがあるため、オートミールは適量の摂取を心掛けましょう。食物繊維は腸内環境を整えたり、便のかさを増やしたりするのに役立ちますが、摂りすぎると逆効果になる可能性があります。
とくに、オートミールの摂取を急に増やしたときや水分摂取が不足しているときは注意が必要です。1日に必要な食物繊維の量は、成人男性で21g以上、成人女性で18g以上とされています。この量を目安にして、食物繊維をあまり摂りすぎないように、オートミールの量を調整しましょう。
5:おすすめのオートミール3選
ブランドや商品により、オートミールの風味や食感、栄養価は異なります。そこで、編集部でおすすめのオートミールを3つご紹介します。
- 5-1: 有機オートミール|エルサンク・ジャポン
- 5-2: オーガニックピュアオートミール|日本食品製造
- 5-3: オーガニック オートミール|ナチュラルキッチン
5-1:有機オートミール|エルサンク・ジャポン
エルサンク・ジャポンの「有機オートミール」は、有機栽培にこだわっており、安心して食べられます。噛むほどに素朴な風味やおいしさが広がり、オートミールの素材感を楽しめるでしょう。
牛乳や豆乳などをかけ、お好みで砂糖やはちみつ、メープルシロップで甘みを加えるとおいしく食べられます。スープやシチューのトッピング、パンやお菓子の材料、離乳食にも利用できます。
5-2:オーガニックピュアオートミール|日本食品製造
日本食品製造の「オーガニックピュアオートミール」は、有機栽培されたオーツ麦100%のオートミールです。食物繊維をはじめとした数々の栄養素を豊富に含んでおり、糖質が少なく、体にやさしい食品です。
製造はすべて国内工場であり、食品添加物は使われていません。日本人好みのクセがない味わいも、人気の理由です。お好みのフルーツやナッツを加え、メープルシロップ、シナモン、フルーツソースなどで味つけして食べるのをおすすめします。また、離乳食や介護食としても優れた食材です。
5-3:オーガニック オートミール|ナチュラルキッチン
ナチュラルキッチンの「オーガニック オートミール」は、アメリカとカナダで生産された有機オーツ麦のみを原材料としています。オーツ麦の外皮を取り除き、蒸してプレスしたロールドオーツタイプです。
粒が大きく、粘り気が少ないため、お米のような食感が楽しめます。水や牛乳で煮込むポリッジやグラノーラはもちろん、お米の代用にもよいでしょう。
まとめ
オートミールは、グルテンフリーの食事に取り入れやすい食材です。さまざまな料理に活用できて栄養価も高いことから、健康的な食生活を送るためのひとつの手段となります。
ただし、すべてのオートミール製品がグルテンフリーとは限らず、また健康な人でも食べすぎれば体調を崩すおそれがあります。あらゆる人にとって最適な食材とは言い切れないため、オートミールは自身の体調や食事の目的に応じて、適切に選ぶようにしましょう。
中山祥子
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