皆さんは「グルテンフリー」を聞いたことがありますか?

この言葉は最近ではダイエットや健康志向の中でよく耳にするようになった言葉です。でも、具体的に何を指し、どういった効果があるのか、また始めるにはどうすればいいのか、知らない人も多いのではないでしょうか?

今回は、「グルテンフリー」について、その基本的な知識からメリット・デメリットまで、ざっくりと全体感を理解してもらうことを目指します。

1:グルテンフリーとは?

1-1:グルテンフリーはセリアック病の人のための食事法

グルテンフリーとは、小麦や大麦、ライ麦などの穀物に含まれるタンパク質「グルテン」を含まない食事法を指します。元々はセリアック病というグルテンに対するアレルギー症状を持つ人たちが始めた食事法です。セリアック病の人がグルテンを摂取すると、消化器官にダメージを与え、吸収不良や栄養失調を引き起こします。そのため、グルテンを完全に避ける必要があります。

1-2: 近年、日本や海外でグルテンフリーが注目されている理由について

グルテンフリーが注目される理由は様々です。最初に挙げられるのはセリアック病やグルテン過敏症の人たちの食事制限です。これらの疾患を抱える人たちは、小麦、大麦、ライ麦などの穀物が含むグルテンを摂取すると体に不調を感じ、健康被害を受けることがあります。

しかしそれだけではありません。近年は、ダイエットや健康維持、美容を目的にグルテンフリーが広く取り入れられるようになりました。特に消化不良や便秘、肌荒れなどの問題を抱える人々にとっては、グルテンフリー食が注目されています。これは、グルテンがこれらの症状を悪化させる可能性があると考えられているからです。

2:グルテンフリーの効果/メリットは?

2-1: 体の不調や肌に良い

グルテンフリーの最大のメリットは、体の不調を改善し、特にの健康に良いことです。グルテンは消化器官に負担をかけ、便秘やむくみ、肌荒れなどを引き起こす可能性があります。グルテンを避けることで、これらの症状が改善されると報告されています。さらに、グルテンフリーの食品には、ビタミン・ミネラルや抗酸化物質が多く含まれており、免疫力を高め、肌の健康を促す効果があります。 美容や健康を意識する方にはおすすめの食事法です。

2-2: ダイエット効果が期待できる

グルテンフリーはダイエットにも効果的です。グルテンは炭水化物を多く含んでいる食品に多く含まれているため、これらを控えることでカロリー摂取を抑えることが可能です。また、グルテンや小麦粉などの加工された食品を避け、自然食品を中心とした健康的な食生活を送ることで、腸内環境が整い代謝が上がり、ダイエットにもつながります。さらに、グルテンを含む食材に代わって、野菜や果物、肉類や魚介類などの栄養素が豊富な食品を積極的に摂取することで、満足感を得ながらダイエットに成功することができます。

3:グルテンフリーのデメリット

3-1: 栄養バランスが崩れる可能性がある

グルテンフリーの食品にはデメリットもあります。最も大きな問題は、栄養バランスの崩れです。小麦製品には、ビタミンB群や食物繊維、鉄分などの重要な栄養素が豊富に含まれています。グルテンを避けることで、これらの栄養素の摂取量が不足する可能性が高まります。グルテンフリーであっても健康的な食事を摂取するためには、バルサミコ酢、オリーブオイル、アーモンド粉など、栄養価の高い代替品を選ぶようにしましょう。また、野菜や果物、レンズ豆、キヌア、玄米などのようなグルテンフリーで栄養価の高い食材を多く摂取することが推奨されています。専門家に相談しながら、食事バランスを考え正しくグルテンフリーを実践しましょう。

3-2: 外食がしづらくなる

グルテンフリーになると、外食する際に気を遣わなければならなくなります。現在の日本の飲食店では、グルテンフリーのメニューが一般的ではありません。そのため、外食する際には、注意深くメニューを選ぶ必要があります。また、クロスコンタミネーション(異なる材料同士が接触することでグルテンが含まれる可能性があること)が起こり得るので、調理法によってはグルテンに汚染される恐れもあることに注意が必要です。自分で用意した食事や、グルテンフリー対応の飲食店を利用することをオススメします。

4:グルテンフリー生活はどうやって始める?

4-1: 初めに期間を設定しよう

グルテンフリー生活を始める前に、まずは試しにグルテンフリーを続けられる期間を設けることをおすすめします。例えば1週間や1ヶ月などの期間で、体の変化を感じることができます。この期間中、主食やスナック、お菓子、調味料などでグルテンを含まないものを選んで、摂取してみましょう。その際に、肌の調子やお腹の調子、睡眠時間など自分の体に起こった変化を記録することで、効果を客観的に確認することができます。

4-2: 小麦が多く含まれている食品から控えてみる

まずは小麦が多く含まれている食品から控えることで、グルテンフリーな食生活を始めることができます。

具体的には、パンやパスタ、うどんなどの穀物系の食品はもちろん、ソースやドレッシングなどでも小麦が含まれることがあります。これらを避けることで、より健康的な食生活をはじめることができます。また、今ではグルテンフリーの代替品もたくさん出回っているので、そういった商品を購入することで、食生活における楽しみも失うことなく、グルテンフリーな生活を送ることができます。

4-3: 自炊できる環境を整える

自分で料理を作ることで、外食が難しいグルテンフリー生活でも、食事の中身を自分でコントロールすることができます。自炊するためには、以下の点に注意しましょう。

  • 調理器具の準備:グルテンフリー生活を始めると、小麦粉を使用しないために、使う調理器具も変わってきます。代表的なものにホームベーカリーやハンドブレンダーなどがあります。
  • 調味料や材料の調達:グルテンフリー食材はスーパーやインターネットで購入できますが、地元の健康食品店でも見つけることができます。
  • レシピを参考にしよう:初めて自炊する方は、簡単なレシピから始めることをおすすめします。例えば、グルテンフリーパンケーキやサラダなどがあります。

5:グルテンフリー食品の例をご紹介

5-1:米粉でできた製品

米粉はグルテンが含まれていないことから、グルテンフリーの食品として人気があります。米粉パンやクッキー、パスタなど、様々な製品が市販されています。また、米粉を使用したレシピも多数存在し、手軽に作れるため自宅でも試すことができます。ただし、米粉には糖質が豊富に含まれているため、糖質制限中の方は注意が必要です。また、健康的な選択とは言えない加工品もあるため、原材料や栄養成分を確認し、適度な摂取に留意することが大切です。

5-2: 大豆粉を使用した製品

大豆粉を使った製品は、グルテンフリーの代替品として広く利用されています。大豆粉にはたんぱく質や食物繊維が豊富に含まれており、栄養バランスを考える上でも役立ちます。また、大豆粉に含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た働きをするため、更年期障害の改善や骨密度の低下予防にも効果が期待できます。ただし、大豆アレルギーを持つ人は避けるようにしましょう。
大豆粉を使用した製品は多岐にわたっており、パンやクッキー、シリアル、豆腐、納豆などがあります。しかし、大豆粉にはグルテンのような伸びや弾力性がないため、加工技術に難しさがあります。そのため、他の粉との混合物や添加物が使用されている場合があります。そのため、原材料表示をしっかりと確認し、自分に合ったものを選びましょう。また、大豆粉はオーガニックであるかどうかにも注意が必要です。
大豆粉は味や匂いが強いため、使い方にも工夫が必要です。量を調整したり、慣れてから使用するなど、少しずつ試してみましょう。大豆粉の栄養バランスの良さとコクのある味わいは、グルテンフリーの食事に取り入れる上で便利であり、身体にも良い影響を与えます。

5-3: そば粉でできた製品

そば粉を使った製品は、グルテンフリーの食品として日本でも人気があります。

これは、そば粉自体にグルテンが含まれていないためです。また、そば粉にはビタミンB1やB2、カルシウムや鉄分などの栄養素が豊富に含まれており、健康に良いとされています。ただし、加工方法や製造場所によっては、他の小麦粉を混ぜたものや接触汚染でグルテンが含まれることもあるため、購入前に表示情報をしっかり確認することが必要です。

代表的なそば粉製品としては、蕎麦麺やそばパン、そばの実を使用したスナック菓子などがあります。

5-4:その他のグルテンフリーな食材

グルテンフリーな食品として、アーモンドミールやココナッツミールを使用した食品があります。これらの食材は小麦粉と同じような使い方ができ、パンやお菓子などの製造に利用されます。また、大豆や豆腐、米粉、野菜などもグルテンフリーであり、栄養価が高いため積極的に取り入れることができます。ただし、市販の調味料やスープなどにグルテンが含まれている場合があるため注意が必要です。食材を選ぶ際は、原材料表示を確認することが大切です。また、外食時には事前に店舗に電話をして、グルテンフリーの対応が可能かどうか確認することをおすすめします。

まとめ

グルテンフリーは、体の不調改善やダイエット、美容に効果的な食事法で、小麦などのグルテンを含む食品を避けます。一方で、栄養不足や外食の難しさなどのデメリットもありますので、始める前にはしっかりと理解しておきましょう。

また、具体的に始める際には、試す期間を設けたり、小麦が多く含まれている食品を控えたり、自炊できる環境を整えたりすることが大切です。グルテンフリー食品として、米粉や大豆粉、そば粉を使った製品などがあります。一歩一歩、自分の体に合った食生活を見つけていきましょう。