生活に欠かせない食品の一部には、さまざまなアレルギー反応を引き起こす可能性のある成分が含まれています。ここで取り扱うのは、とくにパンやパスタなどの食品に多く見られる「グルテン」です。近年、敏感な体質の人や、特定の健康状態の対策として、グルテンを含まない「グルテンフリーの食生活」を送る人が増えています。
忙しくて、自炊する時間がない人たちの間で、グルテンフリーの取り組みが広まっています。スーパーやレストランでの食事ではなく、コンビニを主な食事の源として活用する方も多くいます。このコラムでは、コンビニで手に入るグルテンフリーの食品について紹介します。
目次
1:グルテンフリー生活の基本
グルテンフリー生活の基本は、グルテンを含まない食材を選び、日常の食事に取り入れることから始まります。食物アレルギーのある人から、健康意識の高い人まで、さまざまな人に注目を集めています。なぜこのグルテンフリー生活が広く流行っているのでしょうか?以下では、避けるべき食材とグルテンフリー食材の見つけ方について解説します。
- 1-1:グルテンフリーが流行っている経緯を知ろう
- 1-2:グルテンフリー中に避けるべき食材
- 1-3:事前に知っておきたいグルテンフリー食材の見分け方
1-1:グルテンフリーが流行っている経緯を知ろう
近年、グルテンフリーというキーワードが注目を浴びるようになりました。なぜこのキーワードが注目を呼ぶようになったのでしょうか。
グルテンフリーが注目を浴びるようになった要因のひとつは、グルテンが健康に悪影響を及ぼすという情報が広まったからです。グルテンとは、小麦、ライ麦、大麦などの穀類に含まれるたんぱく質の一種で、パンやパスタ、うどんなどをもちもちとした食感にする役割を果たします。しかし、一部の人にとっては、このグルテンが食物アレルギーなど原因となり、体調不良を引き起こすことが明らかになりました。
一部の人には、「セリアック病」や「グルテン感受性」などの症状が認められ、グルテンを含む食事を摂ると身体に悪影響を及ぼすことが医学的に確認されています。これらの症状をもつ人が広く認知されるようになり、グルテンを含まない食事を選択する人が増えたのです。
グルテンを避ける食生活、つまりグルテンフリーは、これらの症状をもつ人だけでなく、ダイエットや健康志向、アレルギー懸念など、さまざまな理由で選択されるようになりました。海外セレブの中にもグルテンフリーを選択する人が多く、彼らの影響も見逃すことはできません。
また、食や健康に対する意識の高まりも、グルテンフリーが注目を浴びるきっかけとなりました。自分の体に合った食事を選択し、体調管理をすることの重要性が認識され始めています。
これらの理由から、グルテンフリーは一部の人から注目を浴び始め、健康志向や身体思いの多くの人にまで広がりを見せていったのです。
1-2:グルテンフリー中に避けるべき食材
グルテンフリーの食生活を送るにあたり、まず意識すべきは「避けるべき食材」について理解することです。グルテンは、小麦、大麦、ライ麦などの穀類に含まれる特殊なたんぱく質で、これらの穀類やその派生製品にはグルテンが含まれています。以下では、グルテンが含まれている代表的な食材について説明します。
小麦製品:パン、パスタ、クラッカー、製菓材などやソース、調味料などにも小麦が加工されていることが多いです。
ライ麦製品:ライ麦パンやビール、ウイスキーなどに使用されます。
大麦製品:ビールやウイスキーに多く使用されます。また、味噌や醤油などの発酵食品にも含まれることが多いです。
これらの食材は、グルテンが含まれる可能性が高いため、グルテンフリーを目指す場合は避けることをおすすめします。とくに小麦は多くの加工食品に使用されているため、パッケージの成分表や製品情報を確認することが重要です。それぞれの食材や加工食品に、どのような形でグルテンが含まれているか理解することで、避けるべき食材を見つけやすくなります。
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1-3:事前に知っておきたいグルテンフリー食材の見分け方
グルテンフリーの食生活を送るにあたって重要なのが、食材選びです。しかし、スーパーで商品を選ぶ際、商品の表示を見てもグルテンの有無が明確でない場合もあります。そこで、ここではグルテンフリー食材を見分けるためのポイントをいくつか紹介します。
ひとつめのポイントとして、商品が「グルテンフリー」または「無グルテン」と表示されているかどうかを確認しましょう。商品ラベルにこれらの表示がある場合、グルテンを含まない食品ということになります。しかし、表示がないからといって必ずしもグルテンが含まれるとは限らず、反対に表示があっても100%グルテンが含まれていないとはいえません。商品の表示はあくまで参考のひとつです。
次に、食材の原材料を確認しましょう。一般的にグルテンが含まれる原材料としては、小麦、麦、ライ麦などがあります。これらの原材料が含まれている場合、グルテンが含まれている可能性が高いです。しかし、材料そのものがグルテンを含むか含まないかは調理過程やその他の含有成分により異なるため、きちんと原材料リストを確認しましょう。
また、食品が「グルテンフリー」であることを示す認証マークがあります。これは、一部の国や地域、商品により異なりますが、認証マークが表示されている食品はグルテンフリーである可能性が高いです。認証マークの有無を確認することもひとつのポイントとなります。
2:コンビニで買えるグルテンフリー食材
コンビニで手に入るグルテンフリー食材は、ビジネスウーマンの間で人気があります。驚くことに、グルテンフリー商品は、パン類から麺類、ごはん類に至るまで、日常の食事の大半をカバーしています。さらに、スイーツ類までグルテンフリーのものがあり、手軽にグルテンを避けるライフスタイルが実現可能です。
では、具体的にどのような商品があるのでしょうか?
- 2-1:グルテンフリーのパン類
- 2-2:グルテンフリーの麺類
- 2-3:グルテンフリーのご飯類
- 2-4:グルテンフリーのお菓子/スイーツ類
- 2-5:その他
2-1:グルテンフリーのパン類
グルテンフリーのパンを見つける手がかりは、商品パッケージに書かれた成分表示です。小麦を含まないパンは、一般的に米粉、タピオカ、コーン、鳴き麦などを主成分としています。商品を手に取ったら、成分表示欄をよく読み、摂取してはいけない食材を含むものは避けることが大切です。
次に、コンビニでよく見かけるのが“米粉パン”です。米粉パンはその名の通り、米粉を主成分としたパンで、小麦粉を一切含まないためグルテンフリーの方でも安心して摂取できます。
米粉と小麦粉の違いについては「米粉と小麦粉の違いとは?違いを知って食生活をより豊かにしよう」で解説しています。あわせて読んでみてください。
2-2:グルテンフリーの麺類
麺類は身体に必要な炭水化物の供給源です。しかし、グルテンフリー生活を送る方は、小麦が主成分のパスタやラーメンなどは避けなければならないと思いがちです。しかし、コンビニではグルテンを含まない麺類も多く取り扱われており、グルテンフリー生活を維持しつつ、おいしく食事を楽しめます。
ひとつめに紹介するのは春雨です。春雨は主成分がでんぷんで、グルテンを含まないためグルテンフリーに適しています。コンビニで販売されている春雨はさまざまな種類があり、味付けにグルテンが含まれていないか確認してから購入しましょう。
続いて、グルテンを含まない麺類として有名なのがライスヌードルです。つるつるとした食感が特徴的なライスヌードルは、小麦ではなく米を原料にしているので、グルテンフリー食を希望する方には最適です。コンビニでライスヌードルを購入する際には、調味料がグルテンを含んでいないか確認しましょう。
最後に、こんにゃく麺もおすすめです。こんにゃく麺はほとんど炭水化物が含まれていないため、ダイエット中の方にも適しています。たんぱく質やビタミン、ミネラルを含んでいるサラダと一緒に食べると、栄養バランスのよい食事になります。
2-3:グルテンフリーのご飯類
ごはん類でありながらグルテンフリーである商品とは何でしょうか。それは豆類や雑穀などが入っている商品です。主に、アマランサスやキヌア、ミレットといった雑穀類、レンズ豆やヒヨコ豆といった豆類です。これらの穀物や豆は、主食としても機能し、抜群の栄養価をもっています。
ひとつめは、低GI値おにぎりという商品です。これは雑穀米を主成分としており、GI値が低いために糖質制限中の方にもおすすめです。
また、コンビニの商品では、豆類を使ったものも見かけます。主にヒヨコ豆やレンズ豆を使った商品が、グルテンフリーの食事として人気を集めています。それらの豆類は、たんぱく質が豊富でダイエットや筋トレ中の方にもうれしい食材です。
しかし、コンビニで気をつけるべきは、食材そのものがグルテンフリーであっても、調理される過程でグルテンを含む食材と一緒に扱われていれば、その商品はグルテンフリーとはいえません。どの商品を選ぶ際にも商品のラベルを必ずチェックして、グルテンフリーの表示がされているものを選ぶことが重要です。
2-4:グルテンフリーのお菓子/スイーツ類
コンビニで一番目立つグルテンフリーのお菓子/スイーツといえば、米粉をメインとしたものです。たとえば、おまんじゅうやもなか、ケーキなど、グルテンを含まない米粉を主成分としたものはグルテンフリーに最適です。
チョコレートもグルテンフリーの選択肢となるお菓子のひとつです。ただし、すべてのチョコレートがグルテンフリーとは限らないので、パッケージに記載されている成分表を確認するのが大切です。チョコレート自体は、主成分のカカオにはグルテンは含まれませんが、バニラ風味などのフレーバーを加えた商品や、ビスケットなどを混入したものは注意が必要です。
ゼリーやフルーツもグルテンフリーのお菓子/スイーツのオプションのひとつです。ゼリーは基本的にはグルテンフリーですが、商品によっては、ゼラチン以外の増粘剤として小麦粉が使用されているものもあるので、成分表の確認を行いましょう。
2-5:その他
その他には、アーモンドミルクやソイミルクなどの植物性ミルクもオススメです。これらはコンビニでも手に入るようになり、グルテンを含まないダイエット飲料として人気を集めています。
また、ナッツ類もコンビニで手に入るグルテンフリー食材のひとつです。アーモンドやカシューナッツなど、いつでもどこでも手軽に摂れるため、おやつにも最適です。ただし、ナッツ類はカロリーが高いため、食べ過ぎには注意が必要です。
3:コンビニで実現するグルテンフリーの1日の献立
コンビニエンスストアの商品ラインナップの中にはグルテンフリーの商品も増えてきました。ここでは、朝から晩までコンビニエンスストアの商品だけで1日の食事をつくり上げる方法を紹介します。
- 3-1:朝食には米粉パンやシリアルなどがおすすめ
- 3-2:昼食/ランチにはおにぎりや春雨
- 3-3:夕食には揚げ物を含まないお弁当など
3-1:朝食には米粉パンやシリアルなどがおすすめ
朝食におすすめのグルテンフリー食材は、米粉パンやシリアルです。
米粉パンは、小麦粉の代替品として、グルテンフリーの食材だとご存知の方も多いでしょう。コンビニでは米粉パンがさまざまなバリエーションで提供されています。食パンの形だけでなく、ロールパンやアップルパイの形状のものもあります。米粉パンの多くが糖質オフに配慮されているものばかりなので、糖質制限中の方にもおすすめです。
朝食の食材として、バターやジャムを塗ってもおいしいですし、サンドイッチとしても利用できます。
次に、健康志向の高い方におすすめしたいのが、シリアルです。グルテンフリーのシリアルは米を主成分としたものが一般的で、ビタミンB1や食物繊維が豊富なので身体にとって非常に優れたエネルギー源となります。
また、シリアルは豆乳やヨーグルトにトッピングして食べるだけでなく、フルーツを添えたり、サラダにも活用できるので朝食のバリエーションが豊富になります。
3-2:昼食/ランチにはおにぎりや春雨
コンビニで手に入るグルテンフリーのお昼の食事といえば、おにぎりが一番メジャーな選択肢です。グルテンフリーと明記されていないおにぎりも、具の成分をチェックすることでグルテンが含まれていないものを選べます。たんぱく源としては、鮭や梅干しなどがおすすめです。
また、コンビニで手に入るグルテンフリーの春雨も昼食の選択肢としておすすめです。春雨はコンビニの中華料理やサラダによく使用されていますが、その多くがグルテンフリーです。春雨は低カロリーでダイエットにも効果的なので、健康的に昼食を摂りたい方にはとくにおすすめです。
さらに、サラダチキンもグルテンフリーのお昼の選択肢として揃えておきたい一品です。コンビニで販売されているサラダチキンの中には、グルテンフリーのものが多いです。
3-3:夕食には揚げ物を含まないお弁当など
コンビニで買える夕食におすすめなグルテンフリーの食品は、揚げ物を含まないお弁当などです。揚げ物は、グルテンを含む小麦粉を使った衣で固められることが多いため、グルテンフリーを目指す方はあまり選ぶべきではありません。
具体的な例として、コンビニでよく見かけるのが、「おにぎり弁当」や「焼魚弁当」です。これらの弁当は、主食となるおにぎりやごはんが米で、揚げ物も含まれていません。さらに、おかずも焼き魚や野菜の煮物といったシンプルなものなので、グルテンフリーを目指す方にも安心して食べられます。
一方で、揚げ物を含まないとはいえ、すべての弁当がグルテンフリーであるとは限りません。たとえば、麺類がついていることがあるため、具体的な材料をしっかりと確認することが重要です。
4:自宅でできるグルテンフリーの食事例
グルテンフリー生活を実践しようと思ったとき、自宅での食事づくりも避けることはできません。忙しいビジネスウーマンの方も、安心して取り組めるような、自炊でできるグルテンフリーの食事例を紹介します。
前提として、自宅でのグルテンフリー料理は、グルテンを含む調味料や食材を使わないことが基本です。グルテンは、小麦や大麦、ライ麦に含まれます。たとえば調味料の中にもグルテンを含むものが多いので注意が必要です。
それでは実際の料理例を見ていきましょう。
グルテンフリーのパンケーキ
グルテンフリーのパンケーキミックスを使って、おいしい朝食やおやつをつくれます。フルーツやナッツをトッピングに添加し、味のバリエーションを楽しむことができます。
豆腐のハンバーグ
豆腐を使ったハンバーグは高たんぱくでヘルシー、さらにはグルテンフリーです。豆腐とひき肉を混ぜ、お好みの野菜を加えて焼くだけ。ソースは醤油や味噌をベースにすれば、グルテンを避けられます。
野菜たっぷりの味噌汁
味噌汁は基本的にグルテンフリーの一品です。ただし、市販のだしパックや味噌に注意が必要です。自家製のだしとグルテン不使用の味噌を使えば、安心して楽しむことができます。
まとめ
適切に商品を選べば、自炊を避けつつ、グルテンフリー生活を簡単に継続できます。商品の成分を見て、グルテンが含まれていないことを確認しましょう。日本のコンビニエンスストアでは、グルテンフリーの商品が数多く見つけられます。
ただし、認識しておきたいのは商品ラベルに記載された成分を確認し、グルテンが含まれていないことをチェックすることです。米、とうもろこし、ジャガイモ、豆などの自然食材は、グルテンフリーの選択肢として適しています。いつでもどこでもグルテンフリーの食事を楽しむことができるよう、これらの情報をぜひ活用してください。
中山祥子
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