ビールというと、大麦や麦芽などから作られる飲み物というイメージがありますよね。大麦や麦芽には、体に影響を及ぼす可能性のある「グルテン」が含まれています。今回は、そんなビールと「グルテンフリー」の関係について深く掘り下げていきます。
目次
1:グルテンフリーとはそもそも何?
グルテンフリーとは、食事からグルテンというたんぱく質を排除する食事スタイルのことを指します。グルテンはパンやパスタ、ビールなどの原料である小麦や大麦、ライ麦に含まれている成分です。
グルテンに対してアレルギーや不耐症がある方、健康意識が高い方々の間で、グルテンフリーを生活に取り入れる傾向が見られます。
2:グルテンフリーとビールの関係性
ビールは、多くの人々に人気のアルコール飲料です。しかし、ビールにはグルテンというたんぱく質が含まれており、特定の人々にとっては健康上の問題となることがあります。そこで、最近ではグルテンフリービールが注目されています。
以下では、グルテンフリーとビールの関係性について詳しく解説します。
- 2-1: ビールは通常「グルテン」が含まれている
- 2-2: グルテンフリービールが登場する背景
2-1:ビールは通常「グルテン」が含まれている
ビールの主成分である大麦や麦芽には、グルテンが含まれているため、通常のビールはグルテンフリーではありません。
しかし市場には、グルテンを含まないグルテンフリービールも存在します。グルテンが健康に影響してしまう人々も、グルテンフリービールであれば安心して楽しめるでしょう。
ただし、グルテンフリービールは通常のビールよりも値段が高くなる傾向があります。味や風味にも若干の違いがありますが、本格的なビールの味わいを再現しようと、多くのメーカーが品質に力を入れています。
また、「グルテンフリー」と表示された製品でも、わずかながらグルテンを含んでいる可能性があることに注意してください。クロスコンタミネーション(穀物が混ざり合うこと)を回避するための厳しい基準を設けているメーカーもありますが、万全を期すために商品ラベルや製品説明をよく確認しましょう。
2-2:グルテンフリービールが登場する背景
近年、グルテンに対するアレルギーや不耐症を抱える人々の増加に伴い、さまざまな飲食物がグルテンフリーに対応してきました。その一環として、ビール業界でもグルテンフリーのビールが登場しています。
小麦アレルギーやセリアック病の方は、グルテンを摂取すると免疫が反応し、腸の粘膜が傷つき、不快な症状や消化不良を引き起こすことがあります。ビールは多くの人の楽しみとなるアルコール飲料ですが、一部の人にとっては制限される飲み物となるのです。
そこで、そのような方々でも気軽にビールが飲めるように、グルテンフリービールが開発されました。また、グルテンフリービールの人気は、健康志向の高まりも追い風となっています。グルテンフリービールを飲むと、体への負担を減らせるという認識が広まっているのです。
グルテンフリービールは、味や品質面でも進化しています。初期のグルテンフリービールは風味や泡立ちに課題があったため、あまり評価されていませんでした。しかし研究開発が進み、現在では高品質なグルテンフリービールが提供されています。グルテンフリービールでも、ビール好きの人々が満足できる味わいや飲みごたえを楽しめるようになっています。
グルテンフリービールは、飲酒文化における新たな選択肢のひとつです。アレルギー対応や健康志向の観点からも注目されているこのビールは、今後さらに普及していくでしょう。
3:グルテンフリービールの特徴
グルテンフリービールには、2種類あります。ひとつは、グルテンを含む穀物を使わずに製造されたビールです。このビールは主に、トウモロコシ、米、大豆などを原料にして作られています。もうひとつが、製造過程でグルテンを除去したビールです。
これらのグルテンフリービールには、以下のような特徴があります。
- グルテンアレルギー対応: グルテンフリービールは、小麦や大麦などのグルテンを含む穀物にアレルギー反応を引き起こす人にとって適した選択肢です。グルテンを含まないため、アレルギー症状を起こすリスクがありません。
- セリアック病対応:セリアック病は、グルテンを含む食品を摂取すると、小腸の免疫反応が引き起こされる自己免疫疾患です。 グルテンフリービールは、セリアック病の患者でも安心できる選択肢になります。
- 食事制限対応:糖尿病やダイエット中の人々は、通常のビールに含まれる糖分やカロリーを気にする必要があります。しかしグルテンフリービールは低糖質・低カロリーである場合が多く、食事に制限がある人でも楽しめます。
- 幅広いバラエティ:グルテンフリービールは基本的に、通常のビールに使用される大麦が使われません。大麦の代わりに使用される原料(トウモロコシ、米、大豆など)により、独特の風味が生まれます。
4:グルテンフリービールには微量のグルテンが含まれている場合もある
大麦から作られ、後工程でグルテンを除去したビールは、微量のグルテンを含むことがあります。しかしその含有量は極めて少なく、健康な人に影響を与えるほどではありません。グルテンフリービールに微量のグルテンが含まれていたとしても、グルテンアレルギーではない方や軽度のグルテン感受性の方は安心して楽しめるでしょう。
ただし、重度のグルテン不耐性の方がグルテンフリービールを摂取する際には、注意が必要です。微量のグルテンでも、体質によっては反応が出る場合があります。不安な方は、摂取前に医師に相談してください。
5:【コンビニで買える】グルテンフリービールのおすすめ商品
最近では、コンビニエンスストアでのグルテンフリービールの品ぞろえが増えてきました。今回は、コンビニエンスストアで手軽に購入できるグルテンフリービールのおすすめ商品をご紹介します。
- 5-1: キリン|のどごし生
- 5-2: サッポロ|ドラフトワン(Draft One)
- 5-3: アサヒ | ドライゼロ
5-1:キリン|のどごし生
キリンの「のどごし生」は、大豆を原料とする、グルテンフリーのビール風アルコール飲料です。口に含んだ瞬間の飲みごたえと、爽やかなキレが特徴の商品です。グルテンを避けたいけれど、ビールをゴクゴク飲みたい方におすすめします。
5-2:サッポロ|ドラフトワン(Draft One)
サッポロの「ドラフトワン」は、えんどうを原料としたアルコール飲料であり、グルテンを一切含みません。「ドラフトワン」はビールにも劣らない深い味わいと、すっきりとした後味が特徴です。そのため、アルコール度数は5%と適度な強さがありながら、飲みやすさも備えています。これは、「ドラフトワン」が多くの方々に愛される理由のひとつです。
5-3:アサヒ|ドライゼロ
アサヒの「ドライゼロ」はアルコール度数0%のビール風飲料であり、グルテンを一切含んでいません。この「ドライゼロ」は、ビールと比較しても遜色ない味わいが楽しめます。ドライなのど越しとクリーミーな泡で、ノンアルコール飲料ながらビールらしい飲みごたえを実現しています。多くの消費者から支持を得ているのも、それが理由です。
グルテンとともにアルコールも避けたいけれども、ビールの風味を楽しみたいという方は、ぜひ「ドライゼロ」をお試しください。
コンビニで買えるグルテンフリー商品については「コンビニで買えるグルテンフリー食品とは?おすすめの食材から選び方まで」で解説しています。あわせて読んでみてください。
6:ビール以外の飲み物に小麦は入っている?
ビール以外の飲み物にも、小麦や大麦が含まれていることがあります。どのような飲み物に小麦や大麦が使われているのか、次から見ていきましょう
- 6-1: 麦茶
- 6-2: 焼酎
- 6-3:その他の飲み物
6-1:麦茶
カフェインを含まないため、小さな子どもから妊婦、授乳中の方も安心して摂取できる麦茶。さっぱりとした味わいで、水分補給や食事のお供にもぴったりです。
麦茶は、大麦を原料として作られる飲み物です。そのため小麦アレルギーやセリアック病の人が摂取すると、アレルギー反応が現れることがあります。麦茶が自分の体に合っているか気になる方は、医師に相談してみるとよいでしょう。
6-2:焼酎
蒸留酒の一種である焼酎は、芳醇な香りとまろやかな口当たりが特徴のお酒です。焼酎には麦を原料とするものがありますが、蒸留過程でグルテンが除去されるため、多くの人は問題なく飲用できます。
しかし、微量のグルテンが存在する可能性は拭いきれません。小麦アレルギーやセリアック病の人は、麦焼酎にも気をつけるべきでしょう。
6-3:その他の飲み物
ビールにも使用される麦芽は、大麦を発芽させたものであり、グルテンを含みます。麦芽はビール以外の飲み物にも利用されており、麦芽コーヒーや麦芽ココアなどが市販されています。これらの麦芽飲料は高い栄養価と香ばしい風味で人気ですが、グルテンを含むことに注意しましょう。
まとめ
一般的なビールは大麦を原料としているため、グルテンを含みます。しかし大麦の代わりに米や野菜などを使用したり、製造後にグルテンを除去したりして作られるグルテンフリービールが存在します。グルテンフリービールであれば、グルテンアレルギーやセリアック病の人々も健康への影響を気にすることなくビールを楽しめるでしょう。
ただし、グルテンフリーを表示している商品でも、グルテンを含む場合があります。グルテンを完全に除去しきれなかったり、製造過程で混入したりする可能性があるため、商品のラベルをよく確認してください。
グルテンフリービールは体への負担が少ない、という認識が広まりつつあり、健康意識が高い人々からも注目されています。さまざまな特徴を持つグルテンフリービールが、コンビニエンスストアなどで市販されています。いろいろな商品を試して、お気に入りのグルテンフリービールを見つけてみてください。
グルテンフリービールを楽しむ際には、適度な量や飲酒の範囲を守ることも大切です。また、個人の体質やアレルギー状態に合わせて適切な飲み物を選ぶようにしましょう。
以上のポイントに気を付けることで、ビール好きでもグルテンフリーの生活を楽しむことができます。さまざまな味や風味のグルテンフリービールを試してみて、新たなお気に入りの一杯を見つけるのも楽しいですね。
麻倉瑠海
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