準備食は、ファスティングを行う前に、体を慣らして消化器官を少しずつ休ませるために必要な食事です。適切な食事をすることで、ファスティングのストレスが少なくなり、効果も高まります。ここでは、ファスティングを考えている方に向けて、準備食の効果や食べていいもの、食べてはいけないものなどを紹介します。

1-1:ファスティングの準備食とは?

準備食は、ファスティング前に胃腸を少しずつ休ませて、ファスティングしやすい状態を作ります。準備食では、消化によい食べものを選ぶことが大切です。消化によいものを食べれば、体の中からリセットして、スムーズにファスティングに移ることができます。

以下では、準備食の効果について詳しく解説していきます。

  • 1-1:ファスティングに向けて体を整える
  • 1-2:ファスティングで準備食なしだとどうなる?

1-1:ファスティングに向けて体を整える

ファスティング前の数日間は、消化によいものを中心に、栄養が豊富な食べものを選びましょう。急にファスティングを始めるのではなく適切な準備食を摂ることで、体にかかる負担を減らし、健康を守りながらファスティングの効果を得ることができます。おすすめは、消化しやすい穀物やおかゆ、植物性のたんぱく質です。また、善玉菌の働きをサポートして腸を整える発酵食品もよいでしょう。

1-2:ファスティングで準備食なしだとどうなる?

ファスティング前に準備食を摂らないと、急に固形物を食べるのをやめることでかえって胃腸に負担がかかったり、体調を崩したりするおそれがあります。頭痛や疲労感、集中力の低下を招くこともあります。このような体調不良を起こさないためにも、徐々に体を慣らしていく準備食が大切です。

2:ファスティングの準備食で食べていいもの

ファスティングの準備食では、消化のよい食べものを選んで体を整えることが大切です。とくに摂りたいのが、栄養バランスのよい食生活を送るのに必要とされている「まごわやさしい」食品。また、消化しやすいートミールや腸内環境を整える発酵食品もよいでしょう。

以下では、準備食におすすめな食材ごとに、詳しく解説していきます。

  • 2-1:ファスティングの準備食は「まごわやさしい」
  • 2-2:オートミールはふやかせばOK
  • 2-3:納豆、豆腐、豆乳
  • 2-4:白米はおかゆにすればOK
  • 2-5:果物はフルーツスムージーにすればOK
  • 2-6:野菜はやわらかく煮込んで味噌汁やスープに

2-1:ファスティングの準備食は「まごわやさしい」

ファスティングを始める前の準備食には、「まごわやさしい」という食材を選びましょう。まめ(まめ類)、ごま(種実類)、わかめ(海藻類)、野菜、魚、しいたけ(きのこ類)、いも(いも類)がこれにあたります。これらの「まごはやさしい」食品はお腹にやさしく、消化を助けてくれます。とくに、豆腐や納豆などのまめ類消化がよいうえに、タンパク質も豊富です。ただし、いも類は種類によっては消化に時間がかかるので注意が必要です。

2-2:オートミールはふやかせばOK

オートミールは、食べる前にふやかすことで消化によくなり、体への負担も少なくなります。ふやかすには、お湯に10分つけるだけでOKです。オートミールを購入する際は、添加物が含まれていないシンプルなものを選びましょう。

2-3:納豆、豆腐、豆乳

納豆、豆腐、豆乳などの大豆製品は、消化しやすく栄養が豊富なので、ファスティングの準備にぴったりです。とくに、納豆には消化を助ける酵素が含まれているので、ファスティングにむけて胃腸を整えていく準備食にピッタリの食材です。また、豆乳は炭酸水で割るとさっぱり飲め、取り入れやすいです。食べすぎには十分注意し、適量を守って準備食に取り入れましょう。

2-4:白米はおかゆにすればOK

おかゆは、胃にやさしく消化にもよいので、ので、体に負担をかけず、栄養の吸収もサポートしてくれます。以下では、白米おかゆの作り方を紹介します。

【材料】

  • 白米…1合
  • 水…5~6合(お好みで)
  • 塩小さじ1(または無塩の昆布だし)

【作り方】

白米を洗い、炊飯器にセットします。水はいつもより多めに入れ、おかゆモードで炊いてください。炊けたら、塩または昆布だしを加え、混ぜて食べましょう

2-5:果物はフルーツスムージーにすればOK

準備食では、果物を消化しやすいスムージーにするのもおすすめです。バナナ、リンゴ、ベリーなどの果物をミキサーにかけて、水やアーモンドミルクを加えるだけと作り方も簡単です。バナナは自然な甘みがあるので、砂糖は必要ありません。また、ベリーには体によい抗酸化作用もあります。

2-6:野菜はやわらかく煮込んで味噌汁やスープに

ファスティングの前の準備食には、消化によい野菜スープや味噌汁がぴったりです 。生の野菜は消化しづらいので、カボチャやにんじん、里芋のような根菜を中心に、よく煮込んで食べましょう。煮込むことでやわらかくなり、栄養を吸収しやすくなります。また、ほうれん草やブロッコリーのような緑黄色野菜を加えることで、ビタミンやミネラルなどの栄養素もしっかり摂ることができます。

3:ファスティングの準備食で食べてはいけないもの

消化に時間のかかる食べものや体を冷やす食べものは避けましょう。消化に時間がかかったり、体を冷やすと胃や腸に負担がかかるうえに、せっかくのデトックス機能も落ちてしまいます。
以下では、準備食で食べてはいけない食材ごとに、詳しく解説していきます。

  • 3-1:卵やヨーグルトなどの動物性食品
  • 3-2:そば
  • 3-3:さつまいも
  • 3-4:プロテイン

3-1:卵やヨーグルトなどの動物性食品

ファスティング前の準備食では、卵やヨーグルトなどの動物性食品は避けた方がよいでしょう。なぜなら、動物性食品は消化に時間がかかり、ファスティングの目的である「体を休める」ことと逆効果になるからです。準備食でたんぱく質を摂りたいなら、豆腐や豆乳、納豆といった植物性のたんぱく質を選ぶとよいでしょう。

3-2:そば

そばは栄養が豊富に含まれており体によい食べものと思えますが、ファスティング前には避けたほうがよいでしょう。そばには消化に負担をかける炭水化物が多く含まれており、体を休ませるファスティングの目的とは逆になってしまうためです。

3-3:さつまいも

食物繊維が豊富なさつまいもはダイエットによい食材と言われています。しかし、ファスティングは体内の糖質を使い切り、体をきれいに整えることが目的なので、糖質が多く含まれているさつまいもはファスティングの準備食には不向きです

3-4:プロテイン

ファスティングは、体を休めてデトックスする期間です。しかし、プロテインのなかには消化に時間がかかるものも多く、準備食で摂ってしまうと逆効果になりかねません。とくに、動物性プロテインはファスティング中に避けたい動物性食品に含まれます。そのため、動物性食品よりも、消化によく栄養価が高い植物性食品を選びましょう。

まとめ

準備食は、ファスティングによる体への負担を減らし、デトックス効果をより得るために必要な食事です。消化に時間がかかり体に負担を避ける動物性食品は避け、消化しやすい野菜や発酵食品などの、栄養がたっぷり含まれたものを選びましょう。準備食を上手に摂ることで、ファスティングを安全かつ効果的に、より賢く行えますよ。