日本料理に欠かせない調味料、みりん。その甘みと深いコクが、数々の料理を引き立てます。しかし、みりんには一体どのような成分が含まれているのでしょうか?そして、健康的な食生活を求めて「グルテンフリー」を目指す方々にとって、みりんは安心して使用できるのでしょうか?

この記事ではみりんの成分や種類に関して詳しく解説します。また、高級なみりんと市販のみりんでグルテンの含有状況が異なることもありますので、その点についても触れていきます。

1:そもそもみりんとは?

みりんは日本特有の甘味調味料で、多種多様な料理に使われています。みりんは主にもち米、米麹、酒粕などの原材料を発酵させて作られます。特に、もち米と米麹の酵母菌による発酵が、みりんの特徴的な味と甘さを引き出します。その甘さとまろやかな旨味が、料理に深みと風味を添えるのです。

以下では、みりんの原材料やみりんの種類についてより詳しく説明します。

  • 1-1:みりんの原材料
  • 1-2:みりんの3つの種類

1-1:みりんの原材料

みりんは日本独特の調味料で、その甘さで料理に深みを添えています。みりんの原材料は何か疑問に思ったことはありませんか?

みりんは主に、もち米、、水、清酒の4つで構成されています。もち米が基となり、これに麹を混ぜてアルコール発酵をさせます。麹というのは麹菌を米に生やして作るもので、麹菌の酵素が米のでんぷんを糖化します。この糖化させたでんぷんがアルコール発酵を引き起こし、アルコールが生成されます。その後、清酒のアルコールと一緒に再度発酵させると、甘さとアルコール、そして個性的な香りを持つみりんが生まれるのです。

しかし、ここで注意が必要なのは、本みりんと呼ばれるものだけがグルテンフリーとなることです。実は、スーパーマーケットなどで見かけるような市販のみりんには、アルコールを蒸発し易くしたり、コストを低く抑えるため、添加物や砂糖、調味料などが混ぜられることがあります。そのような「本格みりん」あるいは「みりん風調味料」などと銘打たれたものにはグルテンが含まれている可能性が高いのです。したがって、グルテンフリーの生活を送りたい方は、商品を選ぶ際に十分注意しなければなりません。

1-2:みりんの3つの種類

みりんには、「本みりん」「本格みりん」「みりん風調味料」の3種類があります。それぞれに独特の味と特性があり、使用される原材料も違います。

本みりんは、もち米の糖分を麹菌により変換したもので、14%以上のアルコール分を含んでいます。料理に深みと豊かな風味をもたらします。

本格みりんは、本みりんと同様にもち米、麹、水を使用しますが、アルコールをほぼ飛ばして1%以下に抑えています。これにより、スーパーやドラッグストア以外でも購入可能になります。

一方、みりん風調味料は糖類、アルコール、酸味料、アミノ酸などを原料にしており、グルテンを含む原材料も一部で使用されます。つまり、みりんの種類により成分と特性が大きく変わり、料理の風味も左右されます。料理によく合うみりんを選ぶことは、料理の完成度を一層高めるために重要です。

2:最近流行りのグルテンフリーって何

「グルテンフリー」という言葉を最近よく耳にします。このグルテンフリーとは具体的に何なのでしょうか。簡単に説明しますと、「グルテンを含まない」ものを指します。グルテンとは、主に小麦や大麦、ライ麦といった穀物に含まれる一種のタンパク質です。パンやなどに弾力ともっちり感を与えます。

ただし、一部の人にはグルテンが体に悪影響を及ぼし、病気を引き起こすこともあります。「セリアック病」という病名を聞いたことありますか?これはグルテンに対する自己免疫疾患で、腸に炎症を引き起こし、最悪の場合、栄養が吸収できなくなることがあります。そのため、セリアック病やグルテンアレルギーを持つ方や、健康的なライフスタイルを求める方は、グルテンフリーの食事を選択するのです。

「グルテンフリー」はグルテンを避ける食生活のスタイルを指す言葉にもなっています。日本ではまだ認知度は低いですが、欧米ではスーパーやレストランでグルテンフリーのメニューが提供されるほど、一般的なものとなっています。

3:みりんはグルテンフリーなの?

みりんがグルテンフリーかどうかは、製造方法によります。グルテンは、小麦、大麦、ライ麦などに存在するタンパク質です。みりんの主成分はお米で、これはグルテンを含まないため、原則としてみりんはグルテンフリーと言えます。

しかしながら、製造過程で小麦タンパクを加えたり、醸造酵母としてグルテンを含むものを使ったりすると、グルテンが含まれる可能性があります。高級なみりんは、製造の際に小麦を使用しないことが多く、グルテンフリーと言えます。逆に、一般的な市販のみりんには、小麦由来の成分が含まれる可能性があります。

以下では、高級なみりんと市販のみりんの違いについて、詳しく解説していきます。

  • 3-1:高級なみりんはグルテンフリーの場合が多い
  • 3-2:市販のみりんはグルテンが含まれている可能性もある

3-1:高級なみりんはグルテンフリーの場合が多い

グルテンの量は、みりんの種類によります。高級なみりんは、もち米、米麹(こうじ)、酒粕(さけかす)など、グルテンが含まれないものを原材料に使用していることが多いのです。

高級みりんには、「本みりん」と「特別純米みりん」があります。本みりんは伝統的な製法によるもの、特別純米みりんは新鮮な米と米麹が原料となるものです。これらはいずれもグルテンを含まない原材料を使用していますから、グルテンフリーと言えます。ただし、製造過程において他の食材が混ざり、微量のグルテンが混入する可能性もゼロではないため、その点は留意してください。

覚えておきたいのは、みりんがグルテンフリーかどうかは、その製造方法によるということです。どのみりんが自分の食べる食品に使われているのか、自分で料理をするときにはどの種類のみりんを選べば良いのかを知ることは、グルテンフリー生活を送るために重要です。

3-2:市販のみりんはグルテンが含まれている可能性もある

多くの家庭で使われている市販のみりんには、「調味料(アミノ酸等)」や「醸造酒」などの表記があるかもしれません。これらは小麦を使い醸造しているので、グルテンが含まれる可能性があります。グルテンを摂りたくない方やグルテンアレルギーの方は、市販のみりんの使用には注意が必要です。

グルテンの含有状況は、商品のラベルに記載されているため一度確認してみましょう。ただし、記載がないからといってグルテンが含まれていない証拠にはなりません。厳格なグルテンフリー生活を送りたい方は、メーカーに問い合わせ、含有状況を確認することをお勧めします

4:グルテンフリーを意識したグルテンフリー生活とは

グルテンフリー生活とは、主に食生活において、グルテンを含む食材をできる限り避けるライフスタイルを指します。グルテンは主に小麦、大麦、ライ麦といった穀物に含まれるたんぱく質であり、パンやパスタといった加工食品にも多く含まれています。食品の結合剤や増粘剤として用いられていることもあるため、商品ラベルの確認が必要です。

グルテンフリー生活を送るには、食材の選び方、食事の準備、レストランの選択など日常の選択が重要となります。例えば穀物なら、グルテンを含まない米、とうもろこし、キヌアなどを選びます。同様に、パンやパスタもグルテンフリー製品を選びます。レストランを利用する際は、グルテンフリーメニューがあり、食材と調理過程を適切に説明できるお店を選ぶことが望ましいです。

厳格なグルテンフリー生活を送るためには、「隠れたグルテン」にも注意が必要です。例えば、みりんといった調味料にもグルテンが含まれていることがあります。こういった調味料にまで目を配ることで、食に対する知識が深まり、より健康的な生活へと繋がります。

まとめ:厳格なグルテンフリー生活でなければみりんを気にせず摂取しても問題はない

みりんに含まれるグルテンについて、高級なものはほぼグルテンフリー、一部の市販のものにはグルテンが含まれる可能性があることを説明しました。

厳格なグルテンフリー生活を目指すのであれば、市販のみりんは使用を控えるか、グルテンフリーと確認が取れた商品を選びましょう。しかし、体調管理としてグルテンを控える程度であれば、みりんに含まれるグルテンは微量なので、気にせず摂取しても問題ありません。

みりんは、グルテン含有量が少ないため、グルテンフリーの食事をしたい方にとっては選択肢の一つになり得ます。しかしどんなみりんを選ぶかは、体調や生活習慣、グルテンフリー生活への考え方などによるため、あなた次第です。この記事が、健康的な食生活を送るための一助となれば幸いです。