日本料理に欠かせない調味料、みりん。その甘みと深いコクが、数々の料理を引き立てます。しかし、みりんには一体どのような成分が含まれているのでしょうか?そして、健康的な食生活を求めて「グルテンフリー」を目指す方々にとって、みりんは安心して使用できるのでしょうか?
以下では、みりんの成分や種類に関して詳しく解説します。
目次
みりんとは?
みりんは日本特有の甘味調味料で、多種多様な料理に使われています。みりんは主にもち米、米麹、酒粕などの原材料を発酵させて作られ、特に、麴菌による発酵の過程で米のデンプンが糖化し甘さが引き出されます。その甘さとまろやかな旨味が、料理に深みと風味を添えるのです。
みりんの役割
料理においてのみりんの役割を紹介します。
- 料理に甘味を付ける
- 料理に照りや艶をだす
- 食材の臭みをとる
- コク深い味わいを出す
- 具材の煮崩れを防ぐ
- うまみを染み込ませる
みりんにはアルコールが含まれているため料理の序盤で投入し、甘味を付ける以外に、アルコールの力で煮崩れを防止したり料理に味を染み込みやすくするなどの効果があります。また、みりんには、必須アミノ酸であるロイシンが含まれていることから疲労回復や筋力アップの効果も期待できます。
参考:日の出みりん
みりんの原材料
みりんは主に、もち米、麹、米焼酎(または醸造アルコール)の3つで構成されています。もち米が基となり、これに麹を混ぜてアルコール発酵をさせます。麹というのは麹菌を米に生やして作るもので、麹菌の酵素が米のでんぷんを糖化します。この糖化させたでんぷんがアルコール発酵を引き起こし、アルコールが生成されます。その後、清酒のアルコールと一緒に再度発酵させると、甘さとアルコール、そして個性的な香りを持つみりんが生まれるのです。
みりんの種類
みりんには、「本みりん」「発酵調味料(みりんタイプ)」「新味料(みりん風調味料)」の3種類があります。それぞれに独特の味と特性があり、使用される原材料も違います。
本みりん
米、米麹、焼酎または醸造アルコール、糖類の原料を熟成して作る調味料のことで14%以上のアルコール分を含んでいます。料理に深みと豊かな風味をもたらします。
発酵調味料(みりんタイプ)
米や雑穀、糖類、調味料などで作られアルコール分は10%含んでいます。食塩も加えられており、みりん風味に調整された調味料です。
新味料(みりん風調味料)
ブドウ糖や水あめなどの糖類、米や米麹、酸味料、香料などを短期間で調合して作られており、アルコール分は0.9%以下です。本みりんの真似をして作られた調味料です。
参考:日の出みりん
みりんはグルテンフリー?
みりんがグルテンフリーかどうかは、製造方法によります。グルテンは、小麦、ライ麦などに存在するタンパク質です。みりんの主成分はお米で、これはグルテンを含まないため、原則としてみりんはグルテンフリーと言えます。
しかしながら、製造過程で小麦タンパクを加えたり、醸造酵母としてグルテンを含むものを使ったりすると、グルテンが含まれる可能性があります。本みりんは、製造の際に小麦を使用しないことが多く、グルテンフリーと言えます。逆に、一般的な市販のみりんには、小麦由来の成分が含まれる可能性があります。
おすすめのグルテンフリー本みりん
商品1伝統製法 純米本味醂 福みりん 福光屋 (720mL, 1年熟成)
日本酒の蔵元である福光屋の料理酒は、米と米麹だけで仕込まれたこだわりがあります。福みりんの原材料は、国産のもち米、国産米の米麹、自家製の米焼酎からなり、添加物一切不使用の高品質なみりんです。
商品2キング醸造日の出稲美町産純米本みりん [兵庫県 400ml ]
兵庫県稲美町の契約栽培もち米を100%使用した本みりんで、糖類などの副材料を一切使わずに蒸したもち米と米麹を仕込んで糖化、熟成しています。お米から醸し出される上品な甘みとコクのあるうま味を楽しむことができる商品です。
まとめ
みりんには種類があり、本みりんはもち米・米麹・醸造アルコール・糖類のみを原料としており、グルテンフリーであるものが多いですが、その他のみりんには小麦が使用されている可能性もあります。グルテンフリーにこだわってみりんを購入する際は必ず成分表示を確認することが大切です。
厳格なグルテンフリー生活を目指すのであれば、市販のみりんは使用を控えるか、グルテンフリーと確認が取れた商品を選びましょう。しかし、体調管理としてグルテンを控える程度であれば、みりんに含まれるグルテンは微量なので、気にせず摂取しても問題ありません。
みりんは料理をする際に様々な効果を与えます。その特性を理解して料理を行えば今よりもよりみりんを使用した料理を作ることを楽しめることでしょう。
管理栄養士 上田 光世
Related posts
Today's pick
Hot topics
Recent.
Tags.