体の健康だけでなく、心の状態にも腸内環境が大きく影響していることを知っていますか?腸内環境を整えることは、うつ病の改善につながる可能性があるのです。最新の研究では、「腸内環境と心の健康は密接な関係にある」と報告されています。腸内環境の改善が、必ずしもうつ病の改善に直結するわけではありませんが、新しい治療としての可能性が見つかるかもしれません。

以下では腸内環境とうつ病や心の健康との関係を解説し、具体的な腸活でのうつ病改善策を紹介します。

腸活とうつ病

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腸内環境を整える腸活は、精神疾患、特にうつ病と密接に関連していると言われています。近年の研究から、腸内環境が私たちの気うつ病患者の腸内細菌叢にはビフィズス菌や分に大きな影響を与えることが明らかになりました。

実際うつ病の患者には乳酸菌、その他の特定の細菌が少ないといった報告があり、躁うつ病患者では睡眠に関する症状が悪いほど腸内の乳酸菌が少ないことや、ビフィズス菌が少ないとコルチゾール(ストレスなどで分泌量が高くなるホルモンの一種)が多くなるという関係も報告されています。また、いくつかの乳酸菌株やビフィズス菌株において、症状の改善が認められたとの報告もあります。うつ病の症状の改善には腸活を上手に取り入れていくことが大切です。

参考:腸内細菌学会

うつ病の概要と原因

うつ病は、日々の活動や気分に影響を及ぼす病状を指し、何も楽しく感じられない、日常にやる気が起きない、倦怠感がある、人と会うのが憂鬱といった症状が特徴的です。これらが2週間以上続いた場合に医師によりうつ病の診断がされます。ストレス、生活習慣の乱れ、遺伝、環境などの要因により脳内の神経伝達物質の量やバランスが乱れることが原因とされています。

新たな研究により、腸内フローラが心理や感情に影響を及ぼすことが明らかになり、うつ病と腸内環境の関連性が注目されています。そのため、腸活による腸内環境の改善が、うつ病の改善につながる可能性を示しています。

腸内フローラとうつ病の関係性についての研究結果

腸内にはたくさんの種類の細菌が生息し、私たちの心理状態に大きく影響すると、科学的に証明されています。

近年の研究では、腸内微生物のバランスの乱れがうつ病を引き起こす可能性が指摘されており、これは、腸内マイクロバイオーム(微生物叢)が、全身の機能や、特に脳の機能に強く関わっているとされているからです。

ストレスを感じた時にお腹が痛くなることや、腸内の炎症によって食欲が低下したり不安感を抱くことがあるように、こうした脳と腸の関係は「脳腸相関」とよばれます。

そのメカニズムの解明に重要視されているのが腸内フローラです。

幸せホルモンとよばれるセロトニンの大半が腸内で作られていることや、ストレス緩和成分のGABAも腸内環境が作り出す物質の1つです。どちらも腸脳相関により間接的に脳の機能に影響すると考えられています。

セロトニンやGABAといったホルモンや物質が不足することから心と体のバランスが崩れ不安障害やうつ病を引き起こす原因となるため腸なフローラとうつ病には大きく関係していることがわかります。

参考:株式会社サイキンソー 

腸活によるうつ病改善の可能性

腸内環境を良好に保つことで、うつ病の改善に結びつくという考え方が注目されています。腸内細菌は、胃腸の機能を正常化するだけでなく、免疫力を向上させ、抗酸化作用を助けるなど、体の健康維持に大きな役割を果たすと言われています。

注目すべきは、腸脳軸の存在です。これは、腸内菌が脳と直接つながっているという考え方で、腸で作られた神経伝達物質が、脳へと影響を及ぼすというものです。その結果、私たちの感情や行動に影響を与えているとされています。これを反対に考えると、健康な腸内環境が、心の健康維持に役立つといえるのです。つまり、腸内環境を整える腸活が、うつ病の改善に繋がる可能性があるのです。

腸活には、食事療法、適度な運動、適切な睡眠、ストレスの管理などが重要です。これらを日々の生活に取り入れることで、腸内環境を改善し、心の健康を向上させることが期待できます。短期間で大きな変化が見られるものではありませんが、日々の積み重ねが、健康維持に繋がります。

まとめ

うつ病は、近年の研究で腸内環境と密接に関連していることが明らかになりました。腸内環境を整えることで、うつ病の症状が改善する可能性があります。食事と健康は密接に結びついているため、うつ病の緩和を期待できるという観点からも、腸内環境の整備は非常に重要な取り組みとなります。適度な運動とともに、食事による腸内環境の改善にも積極的に取り組んでみてください。

うつ病に悩んでいる方は、腸内環境を見直し、健康的な食事による腸活から始めてみてはいかがでしょうか。