近年、体と心をリフレッシュする方法として、断食と絶食が注目されています。断食と絶食は似ている言葉ですが、実は違いがあります。体全体の健康を考えるなら、この違いを知っておきましょう。
目次
1:断食と絶食の違いとは?
断食と絶食はよく似ていますが、実は違いがあります。以下では、断食と絶食について、詳しく紹介します。
- 1-1:断食の意味
- 1-2:絶食の意味
1-1:断食の意味
断食は、健康や宗教のために、固形物の食事を取らないとらないことです。一般的に断食は、半日から3日間の短期間で行います。固形物を摂取しないことで消化器官が休まるだけでなく、精神的にも安定するといわれています。欧米では、体内に溜まっている不要なものを出すデトックスやダイエットとして断食が行われています。日本では昔から、修行の一環として行われてきました。また、現在では健康志向の高い人やダイエットとして断食を取り入れている人が増えています。断食は消化器官を休め、体のリセットを図るだけでなく、精神が統一し集中力が上がる効果も期待できます。
1-2:絶食の意味
絶食とは、食べ物を一切食べないことです。自ら健康のために行うこともありますが、健康診断の前や宗教の儀式など、一定の条件の中で行われることが多いです。絶食中は、水のみ摂ることができます。絶食絶水の場合は水を含む全てを飲食しないことを指します。日本の修行の中にも心をきれいにしたり、自分を見つめ直すために絶食を行うことがありますが、絶食は断食よりも厳しい内容なので、正しい知識と専門家の指導がないと健康を害する可能性があります。絶食を行う場合は、医師や専門家に相談しましょう。
2:断食や絶食の効果
最近では、体の健康のために断食や絶食を行う方が増えており、正しい方法で行うことで様々な効果を感じることができます。
以下では、次のようなポイントを説明します。
- 2-1:体内のデトックス
- 2-2:免疫力アップ
- 2-3:自律神経が整う
- 2-4:むくみの改善
- 2-5:肌質の改善
- 2-6:体重の減少
2-1:体内のデトックス
断食や絶食は、体の中をきれいにする方法として知られています。食事を控えることで、体に溜まった不要なものの排泄を促します。しかし、断食や絶食にはリスクもあるので注意が必要です。そのため正しい知識と、体の状態をよく考えた計画が大事です。
2-2:免疫力アップ
免疫力を高めることは、病気の予防や毎日を元気に過ごすために重要なことです。腸内には免疫細胞の約6割が存在しています。そのため、腸内環境を整えることが健康への第一歩といわれ、断食や絶食を行うことで、腸内の不要な毒素が排泄されます。そして、腸内細菌の働きで腸内が修復されることで、便通の改善や肌荒れなどの悩みの解消に効果的です。腸内細菌が働きやすい環境を作ることで、栄養素の吸収を促し、免疫力が高まります。
2-3:自律神経が整う
断食により、自律神経のバランスが整う効果があるといわれています。自律神経とは、仕事中など集中している時に優位になる交感神経と、リラックスしている時に優位になる副交感神経があります。この両者の切り替えがうまく働かないと、ストレスを感じやすくなったり、睡眠のトラブルなど生活のあらゆる場面で影響がでてきます。特に忙しい現代人は、断食により自律神経の乱れを整えられるでしょう。定期的に断食をすると、ストレスに強くなるともいわれています。
2-4:むくみの改善
断食や絶食は、体の中の余計な水分を出してくれるので、むくみの解消につながります。断食中は、基本的に食べ物を摂りませんが、水分はしっかり摂りましょう。1日2リットルを目標に、水や酵素ドリンクで水分を補います。体内の水分が足りないと、脱水症状になる危険性もあります。足や顔がむくみやすい人は、断食や絶食が効くかもしれません。ただし、むくみをなくすために断食や絶食をする時は、水分を摂ることが大事です。必要な水分を摂らないと、かえって体に悪影響になる場合があるので、注意しましょう。
2-5:肌質の改善
美肌に近づく断食について紹介します。実は、肌に必要な栄養素が、肌に届く前に食べ物の消化に使われてしまう場合があります。例えば、糖質の代謝に働くビタミンB1には皮脂の分泌を抑制する働きもあります。そのため、糖質の多い食事が続くとビタミンB1は多く消費され、皮脂分泌の抑制に働く分が足りません。食べ物を消化するためのエネルギーが必要ないため、体が自然と肌を修復するためにエネルギーを使えるようになります。その結果、肌状態が良くなり、トラブル知らずの健やかな肌になります。
注意点として、回復食と呼ばれる断食後の食事には特に気をつけましょう。胃腸への負担をかけないよう、消化の良いおかゆや柔らかいボイル野菜などで調整します。毎日鏡を見るのが楽しみになるような肌を手に入れましょう。
2-6:体重の減少
断食や絶食は体重を減らす一つの方法です。体は溜まっている脂肪をエネルギーとして使うので、ダイエットとして断食を行う方も多いです。体重を減らす目的で断食をする場合は、最低でも3日間は必要です。また、断食や絶食後に食べ過ぎてしまうとリバウンドの原因になります。
というのも、血糖値が急激に上がることで、インスリンの分泌が促進されます。インスリンは中性脂肪の合成に働くため、脂肪ができてしまいます。回復食までが、断食と絶食の一連の流れであることを忘れないでください。
3:断食と絶食のときに気をつけること
断食や絶食をするときは、方法を間違えないことがとても大切です。気をつけるべきことは以下の通りです。
- 3-1:食べ物を全く取らないのはダメ
- 3-2:妊娠中や授乳中はダメ
3-1:断食中に水分は必須
完全に何も摂取しないのは危険です。水をこまめに飲んで、脱水を防ぎます。水だけでなくビタミンやミネラル入りの飲み物も摂り入れましょう。断食中の水分補給として、酵素ドリンクがおすすめです。体内の酵素を補うだけでなく、血糖値を安定させます。飲みやすい味が多く、酵素ドリンクに慣れると空腹を感じにくくなる方もいます。消化しやすい植物性のプロテインも、断食中におすすめです。体を動かすエネルギー源のタンパク質を補え、筋肉量の低下を防ぎます。また、断食中に体を動かす時は、無理をしない範囲で行いましょう。普段より体力が低下しているので、ケガのリスクが上がるためです。
3-2:妊娠中や授乳中は注意が必要
妊娠や授乳をしている女性は断食や絶食を避けるべきです。この時期は、母体はもちろん、赤ちゃんにも栄養が必要だからな時期です。断食をすると、必要なエネルギーや栄養素が足りなくなり、母体と赤ちゃんの成長に影響が出る恐れがあります。そのため、バランスの良い食事をとって、母体と赤ちゃんの健康を守りましょう。
4:まとめ
断食は、水や少しの食べ物を摂りながら体を休めることです。体の調子を整えたり、免疫力を高めることに役立ちます。絶食は、食べ物を一切取らない厳しいやり方のことを指し、短い期間だけ行います。どちらも体に無理がないように、続けられる範囲で行いましょう。断食や絶食は、体調を整えるのに役立ちますが、無理は禁物です。自分の体のことをよく考えて、実践しましょう。
麻倉瑠海
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