あなたは何を朝食に選んでいますか?ヨーグルトと一緒に、さくさくした食感のグラノーラをお召し上がりの方も多いのではないでしょうか。グラノーラはウェイトコントロールや健康志向の人に適した食品とされていますがグルテンフリーとは関係があるのでしょうか

セリアック病患者のための食事法として始まった「グルテンフリー」ですが、そのメリットから普通の人々の間でも広く取り入れられつつあります。今回の記事では、グラノーラやシリアルの基本知識から始め、グルテンフリーでありながら、おいしい食品について提案します。

シリアルとは

シリアルとは、穀物を加工し長期保存に適した形状にした簡便食のことを言います。穀物には、トウモロコシ、オーツ麦、小麦、大麦などが使用されパフ状にしたりシート状にしてから砕くなどの加熱調理で食べやすく加工されています。食べ方としては、牛乳やヨーグルトなど乳製品と組み合わせて食べることが主流です。

グラノーラとは

グラノーラは、シリアルの一種で、オーツ麦(オートミール)を主成分に、ナッツや種子、ドライフルーツ、甘味料を混ぜ合わせ、オーブンで焼き上げた食品です。そのまま手軽に食べられ、栄養バランスもよく、忙しい現代人の朝食としても、スナックとしても、とても便利です。

グラノーラはアメリカ発祥のシリアル

グラノーラは、19世紀末にアメリカで発祥したシリアルです。当時は、小麦粉を混ぜて鉄板に広げオーブンで焼いて崩して粉々にしたものでした。グラノーラという名前は、「つぶつぶ」を意味するグラニュール(Granule)と「穀物」を意味するグレイン(Grain)を組み合わせてできた言葉だといわれています。

グラノーラの原材料

グラノーラの主な原材料は穀物、とくにオーツ麦、種子、ナッツ、そして甘みを加えるためのハチミツやシュガーなどです。オーツ麦は特に多く含まれており、健康効果もたくさんあります。オーツ麦には、食物繊維が多く含まれており、便秘解消や腹もちがよくなる効果があります。

また、オーツ麦にはグルテンは含まれていませんが、近年オーツ麦が栽培された場合や、小麦、大麦、ライ麦などと同じ施設で生産された場合は、少量のグルテンが発祥する可能性があるため、グルテンフリーを意識されている方は、「グルテンフリー」と表示されたオーツ麦を摂取することが勧められています。

加えて、ナッツ類もグラノーラに欠かせない原材料の一つです。アーモンドやくるみ、ヘーゼルナッツなど、種類も多岐にわたります。これらのナッツ類は、健康によい不飽和脂肪酸や食物繊維、ミネラルなどを多く含んでおります。これらは、健康を維持し、美容効果もあり、持続的なエネルギーを供給してくれるため、スポーツ選手や健康志向の人々に愛されています。

さらに、種子類もよく用いられます。種子類にはチアシードやひまわりの種、亜麻仁などがあります。これらの種類は、オメガ3脂肪酸や鉄分、食物繊維、蛋白質を豊富に含んでいて、健康や美容にとても効果的です。そして、ハチミツやシュガーは甘さを加え、グラノーラ特有のおいしさを引き立てます。しかし、これらの甘味料も使用しすぎると、摂取カロリーが高まりがちですので注意が必要です。

これらの原材料を織り交ぜたグラノーラは、健康的な朝食やスナックとして多くの人々に愛されています。多くのグラノーラには、主原料にオーツ麦を使用していても、食感や味わいをだすために小麦粉を加えて焼き直しをしていることがあります。その中に含まれるグルテンは、グルテンに対する過敏症やアレルギーをもつ人々にとっては摂取してはいけないものです。そのような人々のためにグルテンフリーなグラノーラについても解説していきます。

コーンフレークやミューズリーとの違い

コーンフレークとは

コーンフレークは、トウモロコシの胚乳部分を粉にしたコーンミールを原料としており、加工過程で砂糖や塩、シロップなどが加えられています。ビタミンや、ミネラル、食物繊維などの栄養素を豊富に含みます。

ミューズリーとは

ミューズリーは、スイスの医師であるマクシミリアン・ビルチャー=ベネンによって考案されたもので、ビルチャー=ベネンが自身の病院で患者に与えていた朝食が原型となっています。ミューズリーは、オーツ麦、ドライフルーツ、ナッツを主成分としており、食物繊維の含有量がとても高いことが特徴です。

ミューズリーとグラノーラは一見似ていますが、砂糖や蜜で味付けをするグラノーラとは違ってミューズリーは甘味を使用せずドライフルーツとナッツの甘味を楽しむのが特徴です。

グラノーラはグルテンフリーじゃないことが多い

グラノーラが便利でおいしいことは間違いありませんが、グラノーラがグルテンフリーであるという認識は誤りです。多くのグラノーラは、主成分にはグルテンの含まれていないオーツ麦を使用していますが、そのサクサク食感や味わいをだすために、小麦粉を加えて焼きなおしているものがあるため結果的にグルテンが含まれることが多いのです。

グルテンを含む穀物が使用されることは、そのパリッとした食感や、適度なボリューム感を出すためであり、グラノーラに求められるおいしさを高める大切な要素です。しかし、このグルテンは、グルテンフリーダイエットを行っている方や、セリアック病のようなグルテンに反応するアレルギーをもつ方にとっては摂取できない成分となります。

グルテンフリーであることを明示しているグラノーラも市場に出てきています。これらのグルテンフリーグラノーラは、原材料と製法に工夫を凝らし、グルテンを含まない穀物を使用することでグルテンフリーに対応しています。しかし、すべてのグラノーラがグルテンフリーであるというわけではありませんので、商品の成分表記をよく確認し、自身の体調と相談しながら選んでいくことが大切です。

つまり、グラノーラはすべての人にとって最適な選択とは限りません。商品の成分を確認し、体調に合わせて選ぶことが、自分の身体とのよい関係を保つ秘訣です。

グラノーラの代用品

グラノーラが好きだけど、グルテンを排除したいと考えている方には小麦不使用のグラノーラ代用品がおすすめです。小麦を使用せずコーンを主な原料としたコーンフレークは、主成分がコーン(とうもろこし)であるためグルテンフリーです。

もう一つの代用品はオートミールです。オートミールは小麦に含まれるグルテンを一切含まないので、グルテンフリーダイエットにもぴったりです。以下では、さらに詳しく解説していきます。

コーンフレーク

グルテンフリーの食生活で困るのが朝食です。「グルテンフリーのおいしいクラッカーやパンの代わりになる朝食の食材はないか」と探している方へ代替品として、紹介するのが、「コーンフレーク」です。

コーンフレークは、その名の通り、トウモロコシを主成分とするシリアルで、グルテンを含まないものも多いです。グラノーラと同じように、ヨーグルトやフルーツと合わせることで、栄養バランスのよい朝食となり、グルテンフリー生活を豊かにします。

しかし、すべてのコーンフレークがグルテンフリーとは限りません。一部の商品では、風味を増すために麦芽エキスを混ぜていることがあります。麦芽エキスは大麦麦芽から作られ、大麦にはグルテンは含まれませんが小麦アレルギーの人によっては大麦でもアレルギー反応を起こす場合があるので注意する必要があります。パッケージの成分表示をよく確認し、グルテン不使用を明記している商品を選ぶようにしましょう。

また、加工過程での交差感染にも注意が求められます。一部の工場では、グルテンを含む食品と同じラインでコーンフレークを製造している場合があります。そのため、商品によっては、ごくわずかながらグルテンが混じっていることがあります。そのようなラインで生産された商品は、「可能性のあるアレルギー物質: 小麦」と記載されていることが多いので、購入する際にはその表示も確認しておくといいでしょう。

オートミール

オートミールは、その名の通りオーツ麦を主成分とした健康食品であり、グルテンフリーを求めている方にはうってつけの食品です。オーツ麦は小麦とは異なり、自然状態ではグルテンを含まないため、グルテンに敏感な人やグルテンを避けたい方にとっては適切な選択となります。

しかし重要な注意点があります。それは、オート麦が小麦などのグルテンを含む麦類と同じ設備で加工されると、微量のグルテンがオート麦に混入する可能性がある、というものです。この現象を「クロスコンタミネーション」と呼びます。

そのため、グルテンフリーのオートミールを選ぶ際は、パッケージに明確に「グルテンフリー」と書かれているもの、あるいは「クロスコンタミネーションを防ぐための設備で製造されている」と明記されているものを選ぶことが重要となります。

オートミールの魅力は健康効果の多さにあります。高い食物繊維含量は、便秘解消や腸の健康を促進します。また、オーツ麦は水溶性食物繊維「βーグルカン」を豊富に含んでいます。βーグルカンはコレステロールを体外に排出する効果があり、この効果が注目されてオートミールは一部の国では健康食品として人気があります。

また、オートミールは食べ方が多彩で、さまざま食材との相性がよい点も大きな魅力となっています。ミルクを加えてそのまま食べたり、フルーツやナッツをトッピングして自分好みのグルテンフリーグラノーラの代わりとすることも可能です。

おすすめのグルテンフリーグラノーラ3選

グルテンフリーの生活を送っている方にとって、おいしくてヘルシーなグルテンフリーのグラノーラを見つけることは、とても価値のあることです。以下では、その中でも特におすすめのグルテンフリーグラノーラ3選を紹介します。

Nature Path Foods (ネイチャーズパース)

まずは、カナダ生まれのブランド、Nature Path Foodsを紹介します。同ブランドの「ネイチャーズパース グルテンフリーグラノーラ」は、すべての商品がグルテンフリーということで、セリアック病患者はもちろん、グルテンフリーを意識している方も安心して食べることができます。

ネイチャーズパースのグラノーラは、ノンGMOプロジェクト認定の遺伝子組み換えでない原料を使用。さらに、有機認定も取得しているため、質のよい素材を使っていると評価されています。そのため、身体に優しい食品を求めている方にもおすすめの商品です。

ネイチャーズパースのグラノーラは、ほどよく甘みのあるココナッツとアーモンドがふんだんに使用されていて、フレッシュフルーツなどと一緒に食べると、おいしくてヘルシーな朝食になります。また、無添加なので、食物アレルギーや添加物を避けたい方にも安心です。

ただし、グルテンフリー商品は一般のものに比べて高価格であることが多いです。しかし、1袋あたりの価格を上回る健康効果やおいしさ、安心感を考えると、コストパフォーマンスも高いといえます。グルテンフリーのライフスタイルを選ぶ方なら、一度は試してみてほしい一品です。

ORYZEの米麴グラノーラ

ORYZEの米麹グラノーラはグルテンフリー生活を送る方におすすめの商品のひとつです。小麦粉を使用せず代わりに米粉を使用し、全ての方に安心してたべていただけるように配慮されています。また、本商品の最大のポイントは砂糖を使用せず米麹の甘さで甘味をつけているところです。完全無添加であることも安心です。味はプレーン、チョコ、バナナココナッツ、シード、ドライフルーツ、抹茶、アールグレイ、プロテイン、いちごと9種類あり飽きずに楽しめる点でも非常におすすめです。

Uiqoのザクカリ! 米粉グラノーラ400g

Uiqoの商品の中でも注目を集めているのが、「ザクカリ! 米粉グラノーラ400g」です。人気の理由は、グルテンフリーでありながら、クラシックなグラノーラの風味を追求したことにあります。

小麦由来のグラノーラに比べて風味が劣るという意見もありますが、その点にもきちんと配慮されています。使用している米粉は、風味と食感にこだわったもので、これにカカオやフルーツをトッピングすることで、グラノーラ独特の食感と風味を楽しむことが可能です。さらにノンフライで、低糖質ながらもおいしい味付けがされているのもうれしいところです。グルテンフリーだけでなく、糖質制限をしている方にもおすすめできる商品となっています。

まとめ

私たちが普段何気なく食べているグラノーラの多くが、原料自体にはグルテン含んでいなくてもその製造過程でグルテンを含む可能性があり、セリアック病の方々はもちろん、体質改善や健康増進を望む方々にも影響を及ぼす可能性があります。そのため代用品としてコーンフレークやオートミール、そして厳選したグルテンフリーのグラノーラを紹介しました。食生活に気をつけながら、楽しくおいしく食べることが大切です。