花粉症が起こるのか、そしてグルテンフリーが花粉症にどのように影響を及ぼすのかについて解説します。さらに、普段の生活を見直し、食事から始まる花粉症対策もご紹介します。

花粉症の原因は?

花粉症は、スギやヒノキなどの花粉が原因で起こるアレルギー症状の一つです。花粉が体内に入ると、体はそれを異物と認識し、それに反応しアレルギー症状が引き起こされます。鼻水や鼻詰まり、くしゃみ、目のかゆみなどが主な症状として現れます。

グルテンと花粉症の関係

グルテンが持つ伸縮性や粘性は、多くの食品の食感を形成する重要な要素です。しかし、一部の人にとっては、消化や吸収に問題を引き起こす可能性があります。

ここで重要なのは、グルテンが花粉症に直接的な影響を与える訳ではないという事実です。花粉症は、ある種の花粉に対する体の免疫反応によるもので、グルテンが花粉症の原因であるという科学的な証拠は現状ではありません。

しかし、グルテン感受性がある人は、消化不良や炎症により、腸内環境の悪化を引き起こし、免疫力が低下することで、間接的に花粉症の症状を悪化させる可能性があると言われています。腸内環境は、免疫機能にとても大きな影響を与えることが科学的に証明されており、グルテンが原因で腸内環境が乱れてしまうと、花粉症の症状が悪化する可能性があります。

また、グルテンへの過剰な感受性を持ち、グルテンを摂取することで腹痛・下痢・頭痛・倦怠感・抑うつ・不安などの様々な身体症状や精神症状を引き起こすことをグルテン不耐症といい、日本人の約7、8割の人にこの可能性があるといわれています。

すべての人がグルテンに対して感受性を持っているわけではないため、グルテンを避けることで花粉症の症状が必ずしも改善するわけではありません。けれど、もし自分がグルテン感受性を持っているかもしれないと感じているなら、一度グルテンフリー食を試してみてもいいかもしれません。

花粉症に効果的な成分

ここまでは、グルテンと花粉症の関係について説明してきました。以下では花粉症に効果的な食品成分について具体的な食材もお伝えしながら詳しく紹介します。

オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)

オメガ3脂肪酸の成分には、アレルギー症状を引き起こす多種の炎症性脂質メディエーターを、結膜中から減少させることにより、花粉症の症状を抑える効果があると、研究により明らかとなっています。オメガ3脂肪酸は、青魚やくるみ、亜麻仁油やえごま油などの植物油などの食品に多く含まれています。

これらの食品を摂取することで、花粉症などのアレルギー症状を軽減するのに役立つとされています。しかし、あくまでサポート的な要素であるため、悩みや症状がある場合は、まずは専門家に相談することをおすすめします。

また、過剰な摂取は健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、一度に大量に摂取せず、毎日の食事に少しずつ取り入れてみることが大切です。

参考:ダイケン 健康ブログ

乳酸菌

私たちの大腸には、数百種類の細菌が住み着いており、その中には乳酸菌も含まれています。乳酸菌は、大腸の中にある善玉菌の一種とされており、私たちの健康にとって欠かせない存在となっています。

乳酸菌の一番の特徴は、私たちの腸内環境を整える力をもっていることです。乳酸菌が腸内で乳酸を作り出すことにより、免疫力が高まり、乳酸菌が生成した乳酸は腸内のpHを酸性に保ち、免疫機能を正常に維持します。花粉症は免疫系の乱れが原因の一つであるため、免疫力を高めることで花粉症の症状が緩和される可能性があるのです。

しかし、乳酸菌を摂取することが花粉症の改善に直接的につながるわけではなく、体の総合的な健康状態を整えるための一環と考えるべきです。

ポリフェノール

ポリフェノールには、花粉症の原因となる炎症物質のロイコトリエンヒスタミンの放出を抑える働きがあります。また、ヒスタミンによる鼻水や目のかゆみなどの症状を和らげる効果も期待できます。。ポリフェノールは、フルーツ・野菜・お茶やコーヒー・スパイス等に含まれており、中でも赤ワインや珈琲に多く含まれています。

また、ポリフェノールには抗酸化作用や抗炎症作用があり、体内の酸化を防いで細胞の健康を保ちながら、免疫系を調整する助けとなるのです。

ポリフェノールを多く含む食事や飲み物を毎日の食事に取り入れることで、花粉症対策としての効果を期待できるでしょう。

まとめ

グルテンには花粉症に直接的な影響はないですが、もし自分がグルテンに感受性を持つ可能性があると感じているなら、一度グルテンフリー食を試してみるのもおすすめです。グルテンフリーの生活を通じて、腸内環境が改善され、それが免疫力の向上やアレルギー反応の緩和につながる可能性があります。

また、花粉症の症状緩和に役立つオメガ3脂肪酸(EPA・DHA)、乳酸菌、ポリフェノールの成分は、体調を整えるだけでなく、アレルギー症状を和らげる効果も期待できます。これらの成分を含む食品を積極的に摂取することで、花粉症の季節を快適に過ごすことを期待できます。

さらに、日々の生活において、適切な睡眠、適度な運動、こまめな水分補給など、自分自身の体調を調整するための生活習慣を心がけることもとても大切です。

このコラムを通してグルテンフリーと花粉症の関係を理解していただき、花粉症の症状改善に向けた食生活をはじめてみてはいかがでしょうか。きっと今よりずっと、花粉症と上手く付き合えることでしょう。