アトピー性皮膚炎の改善には、食生活が大きな役割を果たす可能性があることをご存知ですか?食材が皮膚に影響を与えている可能性があります。今回は、グルテンフリー生活がアトピー性皮膚炎に効果があるのかを解説します。
目次
アトピー性皮膚炎とは
アトピー性皮膚炎は、皮膚炎のひとつで、慢性的に痒みを伴う炎症を特徴とします。しかし、一般的にアトピーと呼ばれるのは、正確には「アトピー性皮膚炎」を指します。アトピー性皮膚炎の発症には、遺伝的要素とともに、異常な免疫反応が大きな影響をもつと言われています。
以下では、アトピー性皮膚炎の具体的な定義と、その症状、さらにアトピー性皮膚炎の発症原因について解説します。
アトピー性皮膚炎の症状
アトピー性皮膚炎とは、皮膚の炎症を伴う持続的な病状を指し、皮膚の乾燥、かゆみ、発疹などの症状を引き起こします。これらの症状は慢性的に繰り返される特性があります。
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能の低下に起因し、バリア機能が低下すると、皮膚が外部の刺激によりダメージを受け、炎症を引き起こします。これが結果として、乾燥、かゆみ、発疹などの症状を引き起こします。
乾燥した肌
皮膚のバリアが低下しているため水分が失われやすく乾燥肌の状態になります。
激しいかゆみ
皮膚の内部で起こっている炎症がかゆみの症状となって現れます。皮膚のバリア機能が低下することで外からの異物が皮膚の中に入り込むことが炎症が引き起こされる原因です。
発疹
皮膚のバリア機能が低下して外からの刺激が受けやすくなり、免疫の過剰反応が起こることで発疹が発生します。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎が起こる原因や悪化要因には以下の理由があります。
遺伝的要因
アトピー性皮膚炎はアトピー素因という遺伝子素因を持っている人のみに発症するといわれています。日本人の約30%がアトピー素因を持っているといわれており、今後婚姻などで増加する可能性も考えられます。
参考:日本アトピー協会
皮膚バリア機能の低下
皮膚バリア機能が低下し、さまざまな刺激に皮膚が反応することで炎症が生じやすくなります。アトピー性皮膚炎の患者さんにはこの皮膚バリアの機能が低下している状態です。
免疫系の異常
アレルギーは免疫機能の異常状態のことをいい、アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患の1つです。免疫機能異常の多くは先天性の虚弱体質があるためと考えられています。
環境要因
アトピー性皮膚炎のアレルゲンには、ダニ・ほこり・カビ・花粉・動物の毛やフケなどが考えられます。
参考:第一三共ヘルスケア
食事や生活習慣
外食や偏食による栄養バランスの乱れや、ダイエットなど極端な食事制限による栄養不足など、食生活の乱れはアトピー性皮膚炎の症状に影響を与え、甘いものや肉類、油、脂肪の多い食事などの摂りすぎも症状の悪化に繋がります。
参考:Kraice
心理的要因
ストレスによって免疫力が低下することや、生活習慣が乱れることでアトピー性皮膚炎に影響を与えます。ストレスで肌をかきむしってしまうこともアトピー性皮膚炎を悪化させてしまう原因です。
細菌やウイルスの影響
アトピー性皮膚炎では、外界の刺激に対して抵抗力が弱くなり細菌やウイルスによる感染症を起こしやすくなります。これらの感染症がアトピー性皮膚炎の悪化に影響します。
グルテンフリーとアトピーの関係
アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患の一種であるので、小麦アレルギーやグルテン不耐症の患者がグルテンフリーを行えば症状は良くなります。これらのアレルギーは自分で持っているかを気づいていない場合が多いため、アトピー性皮膚炎がなかなかよくならない場合にグルテンフリーを試してみることも方法の一つです。
まとめ
アトピー性皮膚炎が起こる理由や悪化する理由は様々です。皮膚のかゆみや、発疹、乾燥などの症状がなかなか良くならないときは1度グルテンフリーを試してみてはいかがでしょうか。小麦アレルギーやグルテン不耐症の患者、また、まだその症状に自覚していない場合においてグルテンフリーをとりいれると症状の改善が見込めます。それぞれの症状によって、グルテンフリーで改善が見込まれる場合と見込まれない場合がありますので、自身の症状に合った食事を心がけましょう。
個々のアトピー性皮膚炎の原因を理解し、それに対する最善の対策を講じることが健やかな皮膚を取り戻し、健康維持に繋がるのです
とくにアトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が低下しているため、食事から得る栄養が一段と重要となります。どの食材を避けるかを考えるときには、どのようにして必要な栄養を摂取するかという点も同時に考えましょう。
アトピーの症状を改善するためには、個別の食事法だけでなく、全体的なライフスタイルの改善が必要です。ストレス管理や睡眠習慣、適度な運動などもアトピー改善には大きく寄与します。
アトピー性皮膚炎の改善には、一夜にして成果が現れるわけでできることからはじめていきましょう。
管理栄養士 上田 光世
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