麦茶はその名の通り、麦を原料としています。だからと言って、必ずしもグルテンを含むとは限らないのです。小麦に含まれるグルテン。では、麦茶の場合はどうなのでしょうか?今回は、麦茶がグルテンフリーに含まれるのか。その詳しい理由とともに、グルテンフリーの飲み物選びに役立つ情報をお伝えします。

麦茶の原材料にグルテンは含まれている?

麦茶の原料は大麦の種子です。国産の小粒大麦や大粒大麦、はだか麦などが使用されており、最近では外国産の大麦も使われることが多いです。小麦に水を加えることでできる、もちもちとした食感が特有のグルテンですが、実は大麦にはグルテンが含まれていません。これは、小麦に含まれるグリアジンとグルテニンというたんぱく質を水でこねると生成されることに対し、大麦にはこのグルテンの素となる2つが含まれていないことが関係します。つまり、大麦にはグルテンが含まれていないということになるのです。しかし、注意が必要です。大麦と小麦は似た分子構造のたんぱく質が一部含まれているため、小麦アレルギーの方が大麦を摂取すると稀にアレルギー反応を引き起こす場合があります。

大麦にグルテンは含まれていないと言えますが、グルテンに敏感な人、または完全にグルテンを避けたい人にとっては麦茶を飲むときには注意しましょう。

参考:伊藤園

グルテンフリーのお茶はある?

グルテンアレルギーの人がグルテンを含まない麦茶を飲むときにも注意が必要なように、グルテンフリーの生活を送っている方々にとっても、飲むものにも気をつけたいところではないでしょうか。以下では、グルテンフリーの方も安心して飲めるお茶について紹介します。

緑茶

緑茶は、茶葉のみで作られるお茶のため、一般的にグルテンの心配はありません。特に、日本の伝統的な茶文化の一環として日常的に飲まれる「日本茶」は、グルテンフリーダイエットを始めたばかりの方でも安心して楽しむことができます。

なお、緑茶には様々な種類がありますが、そのすべてがグルテンフリーであるわけではありません。味を楽しむためにブレンドされた茶葉には、グルテンを含む小麦などが混ざっていることがありますので、購入の際は製品の成分表示を確認することが重要です

緑茶は、すっきりとした味わいが特徴で、飲むことでリラックス効果を得られると言われています。また、緑茶に含まれるカテキンは強力な抗酸化作用を持っており、狭心症や心筋梗塞の予防にも効果的とされています。

参考:公益財団法人日本心臓財団

ほうじ茶

ほうじ茶は、香ばしい風味と心地よい温かさから、冬の季節にぴったりのお茶として愛されています。ほうじ茶は、緑茶の一種、煎茶から作るお茶で、茶葉に特有の特徴的なカテキン類・テアニン・カフェインのほか焙煎で生成するピラジン類などの成分が含まれます。お茶そのものの原料は、茶葉のみなので、原則として、ほうじ茶はグルテンフリーとなります。

ですが、注意が必要なのは、一部加工ほうじ茶やブレンド茶が、味や風味を出すために、麦を加えたり、香料を添加していることもあります。そのような製品はグルテンを含む場合があるため、アレルギー反応を引き起こす可能性があるのです。そこで、ほうじ茶を選ぶときは必ず成分の表示をよく読んで、小麦や大麦が含まれていないことを確認し、グルテンフリーの安全なほうじ茶を選びましょう。

烏龍茶

烏龍茶はその独特の香りと味わいで人気の茶葉ですが、一般的にはグルテンを含んでいないと認識されています。烏龍茶の原料は茶葉で、麦や小麦といったグルテンを含む原料とは異なります。ですから、基本的に烏龍茶はグルテンフリーな飲み物と言えますので、小麦アレルギーの方でも安心して飲むことができます。

ですが、注意が必要となるのは、製造過程においてです。具体的には、製造工程で同じ機械を使い、小麦製品との交差汚染があるかどうかを検証する必要があります。これにより、グルテンが烏龍茶に含有される可能性があるからです。

また、一部の烏龍茶には香料が添加されている場合があります。その香料の原料に麦や小麦が使われている可能性もありますので、その点も注意が必要です。

烏龍茶をグルテンフリーとして安心して飲むためには、製品の詳細をチェックし、必要であればメーカーに直接問い合わせて製造過程や添加物などを確認することが大切です。

玄米茶

玄米茶は、煎茶や番茶に玄米ともち米を混ぜて作られます。

玄米茶が作られる主成分である緑茶と玄米はいずれもグルテンを含まないので、グルテンフリーの人にとっては安全に飲むことができるお茶です。最近では、健康や美容・ダイエットの観点からも注目されています。

注意したいブレンド茶

ブレンド茶に関しては、さまざまな種類が市販されていますが、ブレンド茶の原料によっては、グルテンを含む可能性があります。一般に、ブレンド茶とは複数の茶葉を混ぜ合わせて作られるお茶のことを指し、紅茶だけでなく、ハーブティーやフルーツティーなど、さまざまな種類が含まれます。

例えば、一部のブレンド茶には、風味付けのために小麦や大麦が使用されている場合があります。これにより、そのお茶はグルテンを含むことになるのです。 そのため、グルテンフリーの生活を送るためには、ブレンドティーの原材料を確認し、小麦や大麦が含まれていないことを確認することが大切です。

原材料表示を確認

原材料表示に、「小麦」や「大麦」などと明示的に記載されていた場合、そのお茶はグルテンを含む可能性が高いです。

風味付けの原料に注意

“天然風味”や”人工風味”と記載されていて具体的な原材料が記載されていない場合、その成分にグルテンが含まれている可能性があります。この場合、製品パッケージに記載のメーカー問い合わせ窓口に直接問い合わせて確認すると安心です。

以上のことを注意して、自身の生活スタイルに合った選択をすることが、安心してグルテンフリーの生活を続けるためには、重要なポイントとなります。

まとめ

麦茶の原料である大麦にはグルテンが含まれていませんが、大麦のもつ分子構造がグルテンを含む小麦と似ていることから、グルテンアレルギーの人が麦茶を飲むときは注意が必要です。ですが、グルテンフリーを取り入れたい人にとっても飲むことのできるお茶はたくさんあります。

一部の飲み物に含まれるグルテンに注意しながらも、緑茶やほうじ茶といった日本人に身近なお茶や烏龍茶と言った中国茶も楽しむことができます。また、市販のブレンド茶を選ぶ際には、原料にグルテンが含まれている可能性があるため、商品パッケージの成分表を確認し、グルテンが含まれていないことを確かめることも大切です。それぞれのお茶の成分を理解したうえで飲めるお茶を飲用し、グルテンフリー生活を楽しみましょう。