健康意識が高まる現代社会において、食についてのアレルギーやダイエットが注目されるようになり、最近増えてきたのがグルテンフリーの生活スタイルです。一部の人はグルテンに対しアレルギー反応を示し、そういった人のための食生活としてグルテンフリーがあります。また、ダイエット効果も期待でき、注目を浴びています。
そのひとつが「フォー」というグルテンフリーの麺類です。グルテンを含まない米から作られており、ダイエット中の方や、小麦アレルギーの方でも安心して食べられる健康食として注目を浴びています。今回は、フォーとはどのような食品なのか、その特性やカロリー、おすすめの市販フォー商品について紹介します。
目次
フォーとは
フォーは、ベトナムをはじめ東南アジアでよく見られる、米粉を主成分とした麺のことを指します。ベトナムの代表的な麺料理であり、さまざまな食材とあわせて家庭料理として幅広く愛されています。とくに、ベトナムの人は1日に1食以上はフォーを食べるというほど、日常的です。フォーは日本でもたっぷりのスープとともに、肉や野菜をトッピングして楽しまれます。
フォーの原材料は米粉
フォーは、ベトナム語で「麺」を意味します。基本的な原材料は米から作られた粉、つまり米粉です。通常のパスタやラーメンなどに使われる小麦粉とは異なり、グルテンを含まないため小麦アレルギーの方にも安心の食品です。
フォーの特徴としては、米粉を蒸して麺状に細長く伸ばし、その後、熱湯で短時間茹でるのが一般的です。この製法のために、フォーの麺はつるつるとした食感と独特のモチモチ感があります。また、米を原材料とするため、スープとよく絡むのも特徴のひとつです。
フォーはそのままでもおいしく食べられますが、さまざまな具材と組み合わせることで飽きずに楽しめます。具材としてよく使われるのは、鶏肉や豚肉、海鮮などのたんぱく質をはじめ、さまざまな野菜やハーブです。これらの組み合わせによって、一層バラエティ豊かな味わいを楽しめます。
気になるフォーのカロリーは?
フォーには、主に米粉の麺(ライスヌードル)と具材、そしてスープの3つがあります。フォーのカロリーはライスヌードル単体で1人前約125g当たり約175kcal、100gあたり約140kcalです。これは他の麺類に比べて比較的低カロリーだといえます。また、具付きの場合、鶏肉フォー約300~400kcal、牛肉フォー350 ~450kcal、野菜フォー約200〜300kcalであり、ここにトッピングされる具材の分のカロリーが加えられます。スープにもカロリーはありますが、具材の選び方でカロリーをコントロールできます。
フォーのカロリーは、どのように具材を選ぶかに大きく左右されます。正しい知識をもって選べば、低カロリーで健康的な食事を楽しめます。
参考:はしづめ製麺
フォーはダイエットにも効果的
フォーがダイエットにも効果的であるといわれる理由はいくつかあります。まずひとつめは、高い満腹感です。フォーは主成分である米粉が含む水溶性食物繊維によって、少量でも満腹感を感じられます。食物繊維は体内で膨張し、一時的に胃を満たすため食欲を抑制します。さらに、粘りや歯ごたえのある食感により咀嚼回数が増えることも満腹感に繋がります。したがって、少ないカロリーで満腹感を得られるため、ついつい食べ過ぎてしまうということが軽減されます。つまり、フォーはカロリーコントロールにつながり、ダイエット効果を期待できます。
ふたつめの理由は、糖の吸収を抑制する効果です。フォーに含まれる米粉は、血糖値の上昇を緩やかにするので、急激なインスリンの分泌を抑えられます。インスリンが急上昇すると血糖値が急激に下がり、それが原因となり甘いものを欲する食欲が高まります。しかし、フォーなら血糖値の上昇を抑制できるため、甘いものを欲する食欲の抑制につながります。
このようにフォーは満腹感を得やすく、糖の吸収を抑制するため、ダイエットに効果的といえるでしょう。
おすすめのフォー
グルテンフリーのライフスタイルをしている方に、手に入れやすく、かつおいしく食べられるフォーの選択肢を紹介します。フォーは市場によく出回る米粉麺のひとつで、そのまま食べるだけでなく、自宅でアレンジ料理にも使用できます。
ケンミン グルテンフリー ベトナム風フォー 75g×10個
ビーフンで有名なケンミンから発売されているフォーです。原料に小麦粉を使用していないグルテンフリーの商品で、お鍋で簡単に調理ができることがポイントです。ノンフライ麺なので胃もたれしにくく、生めんに近い食感を楽しむことができます。
エースコック ハノイのおもてなし 鶏だしフォー 31g
カップにお湯と付属の火薬と粉末スープを入れると完成する手軽に食べることのできるグルテンフリーの商品です。本場ベトナムの技術者と協力して開発した米麺を使用し、スープもチキンをベースに香味野菜を加え、アクセントに胡椒やシナモンを効かせることで本格的な味わいを楽しむことができます。
フォー以外のグルテンフリー麺
フォーがなかなか手に入らない場合や、ベトナム料理以外のグルテンフリー麺が知りたいという方に、代替となるグルテンフリーの麺について紹介します。
ビーフン
ビーフンは、東南アジアを中心に広く食べられている種類の米麺のひとつです。原材料は米のみのため、グルテンフリーの特性を持ち、小麦アレルギーを抱える方やグルテンフリーダイエットをしている方にとっては、グルテンを摂ることなく、麺類を楽しめる食材です。
ビーフンはフライパンなどで加熱することで、もちもちとした独特の食感が楽しめます。とくに、その食べ応えが非常に高く、満腹感を得やすいため、ダイエット中の方にもおすすめの食材です。
ビーフンはそのまま炒め物にしたり、スープにしたりとさまざまな料理に使用できるので、グルテンフリーで健康的なライフスタイルを求める方が、多様な食事を楽しむ手段としても非常に役に立つ食品です。ビーフンを活用し、おいしくグルテンフリーダイエットを続けていきましょう。
タピオカ麺
タピオカ麺は、その名のとおりタピオカ粉を主成分とした麺で、とくにアジア料理でよく使われます。タピオカ粉はキャッサバという植物の根から作られ、その特性からグルテンフリーであるとともに、低アレルギー食材であるからです。そんなタピオカ麺ですが、その食感が魅力です。もちもちとした食感が魅力で、とくに冷たい麺料理にあいます。また、加熱しても固くならないので、冷蔵庫で保存した後も再加熱しておいしく食べられます。
調理法はとても簡単です。パッケージの指示に従ってお湯に浸すだけで、あっという間に料理ができあがります。パッケージによっては、麺を一定時間冷水に浸すだけでOKというものもあります。また、タピオカ麺はそのままでも食べられますが、具材と一緒に炒めたり、スープにしたりとアレンジも広がります。
タピオカ麺はグルテンフリーであるだけでなく、その食べやすさとアレンジの広さから、食事の幅を広げる食材としておすすめです。また、もちもちとした食感は、食べごたえがあり満足感も得られます。グルテンフリーダイエットをしている方や、小麦アレルギーの方、低アレルギー食材を探している方などにとって、タピオカ麺はまさに強い味方です。
まとめ
日本でも注目が高まっているグルテンフリー生活ですが、米粉を主成分としたフォーは、カロリーコントロールをしながらも、しっかりと栄養を摂れるのが魅力です。店頭にも、いくつかのフォーの商品が揃っており、手軽にグルテンフリーのメニューを楽しめます。また、タピオカ麺やビーフンなど、ほかのグルテンフリー麺も選択肢としておすすめです。グルテンフリー生活やフォーについて、もっと深く知ることで、健康的なライフスタイルを送れます。
管理栄養士 上田 光世
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