「健康志向」や「食事制限」の一環として近年、「グルテンフリー」が注目を集めています。グルテンフリーとは、小麦や一部の穀物に含まれる「グルテン」を含まない食事スタイルのことを指します。元々は食物アレルギーのための制限食でしたが、体質改善を見込めることが知られるようになり、ダイエットや健康維持に取り入れられるようになりました。

グルテンフリーの良いところは「グルテンをカットする」というシンプルな方法で、小麦の摂取にだけ注意していればお米も揚げ物も食べられるという点にあります。しかし、小麦は日本の食生活や料理に欠かせないもので、特に揚げ物の衣には小麦が使われていることがほとんどです。

今回は、小麦を使った日本食の代表ともいえる揚げ物で、グルテンフリーを実現する方法についてご紹介します。「グルテンフリーに挑戦したいけど、大好きな揚げ物も気兼ねなく食べたい!」と思っている方は、この記事を参考にしてくださいね。

1:揚げ物の基礎知識

揚げ物は日本の食卓には欠かせない献立ですよね。その揚げ物を作る上で重要な材料が、「小麦粉」です。水や卵で溶いて衣に使われたり、パン粉として食材にまぶして揚げたりもします。小麦粉にはグルテンというタンパク質が含まれています。これがアレルギーやグルテンを避けたい人、つまり、グルテンフリー生活を送る人にとっては問題となってしまうのです。

しかし、小麦粉以外にも揚げ物の衣に使える粉があります。「片栗粉」や「米粉」など、原材料にグルテンを含む小麦を使用しない粉に置きかえることで、グルテンフリーの揚げ物を作ることができます。ここからは、グルテンフリーの揚げ物について詳しく見ていきましょう。

  • 1-1:揚げ物で使用される粉はなに?
  • 1-2:揚げ物はグルテンフリー?

1-1:揚げ物粉はなに?

揚げ物では、一般的にグルテンを含む小麦粉やパン粉が使用されます。食材に衣をまとわせることで、揚げる過程で食材の水分を保ち、ジューシーサクサクの揚げ物になります。しかし、グルテンがアレルギーの原因である方や、健康上の理由でグルテンを避けている方は、小麦粉やパン粉を使用することができませんね。では、どのような粉類を利用すればよいでしょうか?その答えは、片栗粉や米粉などの「グルテンフリーの粉類の使用」です。小麦粉の代わりとして衣に使用することで、グルテンフリー生活でも揚げ物を楽しむことができます。

1-2:揚げ物はグルテンフリー?

揚げ物は通常、小麦粉を使った衣を食材にまとわせて、油で揚げているためグルテンフリーとは言えません。小麦や大麦、ライ麦などの麦類から抽出されるタンパク質にグルテンが含まれているため、グルテンフリーの揚げ物を作るには、小麦を使用せず、グルテンを含まない粉をし使用しましょう。

2:揚げ物に使える!グルテンフリーの粉を紹介

グルテンを含む粉の使用をしなくても、片栗粉や米粉を代用することで揚げ物特有のサクサクとした食感を出すことができます。片栗粉や米粉を使用することで、揚げ物に特有の食感や風味はそのままにグルテンフリーの生活を送りつつ、多様な調理を楽しむことができますよ。ここからは、具体的なグルテンフリーの粉とその使用方法について詳しく見ていきましょう。

  • 2-1:片栗粉
  • 2-2:米粉(白玉粉)

2-1:片栗粉

一つ目は片栗粉です。片栗粉は、じゃがいもでんぷんからできていて、揚げ物に使用すると、衣がカリッとしっかりと仕上がります。

片栗粉と同じでんぷんを原料とする粉に「コーンスターチ」があります。「コーン」と名のつくように、とうもろこしでんぷんからできているため、片栗粉と同じく小麦粉の代替として使用することもできますよ。片栗粉を揚げ物に使用すると、カリッとした食べごたえのある食感に仕上がるのに対し、コーンスターチは粒子が細かく油切れも良いことから、サクッとした軽やかな揚げ物に仕上がると言われています。

2-2:米粉(白玉粉)

二つ目は米粉です。米粉は、うるち米を乾燥させて粉末にしたものの総称で、上新粉、白玉粉、もち粉のことをいいます。揚げ物にする際は、先ほどの片栗粉同様、小麦粉の代替えとして使用します。米粉は粒子がこまかく、油切れがよいことから、しっとり軽い衣にしあがります。

小麦粉と米粉の違いについては「米粉と小麦粉の違いとは?違いを知って食生活をより豊かにしよう」で解説しています。あわせて読んでみてください

3:小麦粉を使わない揚げ物のレシピ

片栗粉や米粉を使用することで、小麦粉を使わなくても美味しく、揚げ物を楽しむことができます。ここからは、グルテンフリーな揚げ物のレシピを2つご紹介します。グルテンフリー生活をしながら揚げ物の美味しさを楽しんでください。

3-1:ノングルテン唐揚げ

一般的な唐揚げのレシピの衣を小麦粉から片栗粉へ変えるだけで、グルテンフリー生活でもサクサクでジューシーな唐揚げを作ることができます。

まず、鶏肉はモモ肉を一口大に切ります。これに、醤油、酒、にんにく、生姜を刻んで下味をつけましょう。次に、下味をつけた鶏もも肉に全体になじむように片栗粉をまぶします。このときできるだけ均一に衣をまぶすことで、ムラなくサクサクの食感に仕上がりますよ。

揚げ方は、170℃の油でじっくりと時間をかけて行います。一度きつね色になるまで揚げて、油から上げます。少し油を切ったら、再度表面を揚げる二度揚げ法を使用すると、中はジューシーで、外はサクサクな唐揚げに仕上がります。

ぜひ小麦粉を片栗粉に替えて、グルテンフリーの唐揚げを楽しんでくださいね。

3-2:米粉を使ったポテトフライ

グルテンフリーでポテトフライを楽しみたいと思っている方に、米粉を使う方法をご紹介します。

作り方は簡単で、適当な大きさに切ったじゃがいもに上新粉をまぶして、油でカリッとなるまで揚げるだけです。熱いうちに塩や青のりなどお好みの調味料をまぶして出来上がりです。衣を纏うことで、冷めてもカリカリの食感を維持できますよ。

小麦粉より、上新粉を使用することで油切れの良い、ヘルシーな仕上がりになることもポイントです。                            

まとめ

揚げ物は日本の食文化の一部であり、生活には切り離せないものです。しかし、一般的な揚げ物には、衣に小麦粉やパン粉といったグルテンを含む食材が使われており、グルテンフリー生活をする際は、揚げ物に使う小麦粉を避ける必要があります。

そこで、小麦粉の代わりに使える、片栗粉や米粉などのグルテンフリーの粉を使用することをお勧めします。揚がり具合をサクサクにしたいなら片栗粉、しっとりとした仕上がりを求めるなら米粉を選ぶと良いでしょう。各粉には揚げ物の食感を左右する特性がありますので、目的に合わせて選ぶことが大切です。

グルテンフリー食材の選び方については「グルテンフリー食材の選び方。食べていいものいけないもの」で解説しています。あわせて読んでみてください