最近、テレビや雑誌でもよく取り上げられ、健康や美容への意識が高まる中で注目されている「グルテンフリー」。しかし、グルテンフリー生活と言っても、実際にはどう始めればよいのか、何に注意しなければならないのか、疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは、「”ゆる”グルテンフリー生活の取り入れ方/始め方、無理なくグルテンフリー生活を実践しよう」をテーマに詳しく紹介します。
目次
1:グルテンフリーとは
グルテンとは、主に小麦などの穀物に含まれるたんぱく質のことを指します。パンやパスタなどの小麦製品に多く含まれており、もっちりとした食感をもたらす成分です。そして、グルテンフリーとは、文字通り「グルテンを含まない」状態を指します。
つまり、グルテンフリー生活とは、グルテンを含む食材を除外することにより、健康や美容への良い影響をもたらすことを目的とした生活スタイルです。
2:グルテンフリー生活を始める前に決めること
いきなり全ての食事をグルテンフリーに移行するのは難易度が高く、また必要な栄養を摂り忘れる可能性もあります。そこで、グルテンフリー生活を始める前に決めておくべき注意点を紹介します。
- 2-1:期間を決める
- 2-2:目的を決める
- 2-3:グルテンが含まれている食材を把握しておく
2-1:期間を決める
グルテンフリー生活を始める前に、試す期間を決めることが大切です。自分に合った期間を設定し、挑戦することで継続しやすくなります。
- 例1: 一週間のチャレンジ:最初は短期間からスタートするのがおすすめです。1週間のうち、どの食品が原因で健康に悪影響があるかを把握することができます。また、急激な制限をすることなく始めることができます。
- 例2: 一ヶ月のチャレンジ:より長い期間に挑戦することで、グルテンフリー生活のメリットを実感することができます。ただし、注意点としては誘惑に負けずに続けることが大切です。
自分に合った期間を設定し、その期間内でのグルテンフリー生活に挑戦することで、今後も継続しやすくなります。
2-2:目的を決める
グルテンフリー生活を始める前に、目的を明確にすることが重要です。目的に応じて、適切な方法で実践することができます。グルテンフリー生活の目的は人それぞれで、健康改善、美肌効果、ダイエットなどが挙げられます。
健康改善を目的にする場合は、グルテンを含む食品からの摂取を控えるだけでなく、代替品やサプリメントを取り入れることで、不足しがちな栄養素を補うことが大切です。また、美肌効果を目的にする場合は、グルテンフリーのコスメやスキンケア商品の利用も検討してみましょう。 目的を明確にすることで、モチベーションが上がり、継続する力につながります。
2-3:グルテンが含まれている食材を把握しておく
グルテンフリー生活に取り組む上で、グルテンが含まれている食材を把握することは非常に重要です。グルテンは小麦の他にも、ライ麦、大麦などの穀物にも含まれています。
例えば、「醤油」、「みそ」、「ビール」といった食品にもグルテンが含まれていることがあります。 このようなグルテンを含む食品を摂取しないようにすることで、グルテンフリー生活を実践することが可能です。
ただし、一度グルテンフリーを始めると、すべての食品にグルテンが含まれていないか確認する必要があります。また、加工食品や外食の場合は、その情報が公開されていないことが多いため、事前に調べておくことが望ましいです。 グルテンを含まない代替品も多数存在しているので、料理方法の工夫や商品選びによって、美味しく栄養バランスの取れた食生活を送ることができます。
3:小麦アレルギーでなければ毎食グルテンフリーにする必要はない
一般的に、グルテンフリーというと全ての食事から完全にグルテンを除外するイメージがありますが、これはあくまで特定の疾患に限ったことであり、例えば、セリアック病や小麦アレルギーの人に必要なことです。これらの疾患を持つ人は、微量のグルテンでも体に悪影響を及ぼすため、徹底したグルテン除去が求められます。
しかし、健康維持を目的とするような人は、全ての食事をグルテンフリーにする必要はないのです。なぜなら、一部の食事をグルテンフリーにするだけでも健康に対する効果があるからです。グルテンを減らすことで、腸の健康を改善させたり、美肌効果や、また一部の人にはグルテンフリーが体重管理にも役立つと報告されています。
全ての食事を強制的にグルテンフリーにしようとすると、食事のバリエーションが減少してしまったり、食事に対してストレスを感じることがあるかもしれません。グルテンを含む食品は炭水化物に含まれていることが多く、全てを除外しようとすると食事の選択肢が非常に限定されるので、ストレスを感じるだけでなく、栄養バランスが崩れる可能性もあります。
そのため、無理に全ての食事をグルテンフリーにしようとするのではなく、一部の食事をグルテンフリーにするという”ゆる”グルテンフリー生活が、健康を維持しつつ、ストレスを感じずに続けられる方法と言えます。例えば、週に数日だけグルテンフリーの日を作ったり、1日の中の1食だけをグルテンフリーにするなど、自分のライフスタイルに合わせた方法を選ぶと良いでしょう。
最終的には、自分の体調や好みに合わせて、最適なバランスを見つけることが大切です。そのためにも、自分の体調や反応を観察し、必要なら専門家の意見を求めることを忘れないでください。
4:健康を意識した”ゆる”グルテンフリー生活のやり方
では、具体的にどのように”ゆる”グルテンフリー生活を実践すればいいのでしょうか。以下に具体的な方法を3つ紹介します。
- 4-1:小麦を多く含む食材を控える
- 4-2:自炊をする
- 4-3:和食中心の生活に切り替える
4-1:小麦を多く含む食材を控える
日本では、主食として白米が食べられていますが、パンやパスタなどの小麦製品もよく食べられています。しかし、小麦にはグルテンと呼ばれるたんぱく質が含まれており、小麦アレルギーやセリアック病の原因となることがあります。また、グルテン不耐性の人でも、大量の小麦を摂取すると体調を崩すことがあるため、意識して控える必要があります。
具体的には、パンやパスタ、うどんなどの主食はもちろんのこと、小麦を使用した調味料や加工食品にも注意が必要です。小麦は意外と多くの食品に使われているため、成分表をよく読んで、摂取量を把握するようにしましょう。例えば、マヨネーズやソース、ドレッシングなどの調味料には、小麦粉が使用されていることがあります。また、スナック菓子やお菓子類にも、小麦が含まれていることが多いので、摂取量には注意が必要です。
なお、小麦を完全に切り離すことは栄養バランスを崩す可能性があり、健康上好ましくありません。適度な摂取量を守りつつ、バランスの良い食生活を心がけましょう。
4-2:自炊をする
食生活改善には、自宅での料理を積極的に行うことが重要です。小麦アレルギーやセリアック病の患者は、コンビニでの買い物や外食の際に安心して食事をすることが難しくなることがあります。そのため、自炊を始めることをおすすめします。
自炊をするメリットはいくつかあります。まず、自分で食材を選ぶことができるので、小麦を含まないものを選べば安心して食事を楽しめます。また、調味料も自分でコントロールできるため、塩分や油分を抑えたヘルシーな料理を作ることができます。
自炊に必要なものは、まず「小麦不使用」の食材を選ぶことです。スーパーや八百屋で買い物する際は、パッケージに記載されている原材料をチェックしましょう。次に、調理器具や食器も別々に使うようにすることで、小麦からのアレルゲンの混入を防ぐことができます。加えて、まな板や包丁も小麦粉に触れないように、しっかりと洗っておくことが大切です。
自炊は、慣れるまでは面倒に感じるかもしれませんが、習慣化すると楽しくなることもあります。また、自分でつくった料理は、安心感があるだけでなく、満足感も得られます。ぜひ、楽しめる料理を探して、自宅での調理に挑戦してみてください。
4-3:和食中心の生活に切り替える
日本食である和食は、多くがグルテンフリーの食材で作られています。これは、和食が自然の食材をそのままの形で利用し、洋食に比べて加工された食品をあまり使用しないためです。グルテンは多くの場合、パンやパスタ、焼き菓子などの加工食品に含まれていますが、和食の多くは新鮮な魚、肉、野菜、海藻、ごはんなどを主成分としています。
そのため、和食のメニューは自然にグルテンフリーとなることが多いです。例えば、ごはん、焼き魚、味噌汁、漬物といった一般的な和食のセットはグルテンをほとんど含んでいません。また、天ぷらやかつおぶしでだしを取ったスープなど、一部の料理で小麦粉や醤油が使われる場合でも、グルテンフリーの代替品を利用することで、安心して食事を楽しむことが可能です。
和食の特徴の一つは、バランスの良い食事を心がけていることです。炭水化物、たんぱく質、脂質のバランスはもちろん、ビタミンやミネラルもバランス良く摂取することができます。野菜や海藻を多く取り入れることで、食物繊維やビタミン、ミネラルを多く摂ることができ、魚や豆腐からは良質なたんぱく質を、ごはんからはエネルギー源となる炭水化物を摂ることができます。
しかし、和食にもグルテンが含まれている食品があるので注意が必要です。例えば、うどんやラーメン、お好み焼きやたこ焼きなどは小麦粉が主成分であり、また醤油もグルテンを含むため、これらの食品は避けるか、代替品を探す必要があります。
これらを踏まえると、和食中心の生活を送ることは、グルテンフリー生活を始める際の一つの有効な実践方法と言えます。自然の恵みを活かした和食は、身体に優しく、心地よい満腹感を得られます。それにより、食事を楽しみながら自然とグルテンフリー生活を継続することが可能になります。
グルテンフリー食材の選び方については「グルテンフリー食材の選び方。食べていいものいけないもの」で解説しています。あわせて読んでみてください。
5:グルテンフリー生活中は特に体調の変化に気をつけよう
グルテンフリー生活を始めたら、体調の変化に注意を払いましょう。食事の改善により肌がきれいになった、体調が良くなったという変化はもちろん、体調が悪くなった、体重が減った等の変化も重要なサインです。自分の体調をよく観察し、必要ならば食生活の見直しを行いましょう。
まとめ
“ゆる”グルテンフリー生活は、無理なく健康的な生活を目指すための一つの方法と言えます。ただし、食事のバランスを崩さないように注意し、自分の体調と相談しながら進めていくことが大切です。健康や美容に気をつけながら、楽しく美味しい”ゆる”グルテンフリー生活を楽しんでください。
麻倉瑠海
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