もち麦について聞いたことはありますか?最近では、豊富な栄養素と優れた満腹感から、ダイエットをはじめとする健康生活に興味がある方にその存在が広まりつつあります。
ところで、もち麦とはどのような種類の麦かご存じでしょうか。一見健康的に映るもち麦が、実はある種のグルテンを含む可能性があると聞いて驚かれるかもしれません。この記事では「もち麦が実はグルテンフリーではない可能性」とその背景について、また快適なグルテンフリー生活にはどのような知識が必要なのか、を解説します。
もち麦とは
もち麦とは、大麦の一種で粘りが強い「もち性」の大麦の総称です。涼しく乾燥した土を好み、育てる際は、水はけのよい土地を作り土の栄養がとられないように雑草が生えないようにすることが大切です。主に米の収穫が終わった秋に麦を植え、冬に育てられます。収穫時期は5月です。食べる前には精麦を行い、粒の小さいものや軽いもの、石などを取り除いてからもち麦の表面を削って磨き、最後に色のついている粒などを取り除きます。もち麦は、ダイエットや健康志向の高まりとともに注目を集めるようになった食材であり、その高い栄養価も魅力の一つです。
以下では、もち麦がもつ特徴や、期待できるダイエット効果について紹介します。
参考:もちむぎ村
もち麦の特徴
大麦は種類が豊富にあり、なかでももち麦は独特の食感が特徴です。
これは、大麦の種類による違いで、もち麦がアミロースというでんぷんに加え、粘りが強いアミロペクチンを含んでいることによります。
このため、食べたときの満足感が高く、ダイエット中の人にも人気があります。
また、もち麦は食物繊維が豊富で白米の20倍、玄米の4.5倍の食物繊維を含んでいるのも特徴です。
参考:愛媛大学医学部
もち麦にダイエット効果がある?
もち麦ダイエットが注目を浴びている理由は、もち麦がもつ多数の健康効果にあります。その中でもとくに注目すべきは、もち麦のもつ高い「食物繊維」によるダイエット効果です。
もち麦はほかの麦類に比べて食物繊維が非常に豊富で、その中でもとくに水溶性食物繊維が多い点が特徴です。この水溶性食物繊維は、水に溶ける性質を持ち、水を含むとゲル状に膨らむ特性があります。これが胃の中で広がり、満腹感を感じさせ、食事の量を自然と減らす効果があります。さらに、水溶性食物繊維は腸にとどまる時間が長いため、腸内環境も整える助けになります。
だからこそ、もち麦はダイエット効果だけでなく、美肌効果や便秘解消、血糖値の安定にも効果的な食材です。 このようにダイエットに重要な食物繊維を多量に含むもち麦は、健康的で効果的なダイエットを目指す方にとって欠かせない食材といえるでしょう。
この特性を活かし、もち麦を日常的に食事に取り入れることで、健康的に体重を減らすためのサポートを受けられます。もち麦だけに頼らず、バランスの取れた食事、適度な運動との組み合わせが大切です。
もち麦にグルテンは含まれていないが注意が必要
もち麦は、その名のとおり麦(穀物)の一種であり、麦類の成分としてグルテンが一般的に含まれています。しかし、もち麦自体にはグルテンという成分は含まれていません。そのため、グルテンフリーの食生活を求める方にとって、もち麦は一見魅力的な食材に見えるかもしれません。
ですがもち麦は、一般的な穀物とは異なり、ほかの穀物と一緒に栽培、収穫、加工されることがあります。これにより、もち麦がほかの穀物からのグルテンを含んでしまっている可能性があるので、ですのでグルテンアレルギーの方は注意が必要です。
もち麦をグルテンフリーの食生活に取り入れたい場合、その生産過程がグルテンを含む穀物と完全に分けて行われていることを確認することが重要です。したがって、購入する際は、商品のパッケージにグルテンフリーと表示されているものを選ぶようにしましょう。
押し麦やオーツ麦との違いは?
ここまでもち麦について紹介してきましたが、同じ麦である押し麦やオーツ麦とはどのような違いがあるのでしょうか。以下ではこの違いについて詳しく紹介します。
押し麦ともち麦の違い
押し麦はうるち性の大麦で、もち麦はもち性の大麦です。押し麦ともち麦では、大麦の品種や食感、栄養素などが異なります。うるち性の大麦を平たく加工した押し麦は、ふっくらとした食感です。もち麦と押し麦のもっとも大きな違いは、食物繊維の含有量で、もち麦は押し麦に比べて食物繊維の含有量が多いことで知られています。とくに、もち麦に含まれるβ-グルカンという食物繊維は、腸内環境の改善を助けることで名高いです。
参考:・はくばくもち麦
オーツ麦ともち麦の違い
オーツ麦はイネ科のカラスムギ属の燕麦で、大麦の一種であるもち麦とは異なります。もち麦に比べて糖質が少なく、たんぱく質が多いという特徴があり、オーツ麦を押し麦のように押しつぶして作られたオートミールはぷちぷちとした食感が特徴です。もち麦の方が、脂質が低く、食物繊維が多いという特徴がありますが栄養価に差はありません。
まとめ
もち麦の特徴やダイエット効果についてとりあげてきました。食物繊維が豊富で満足感の得やすいもち麦はダイエットに適した食材だといえます。
また、もち麦は大麦の一種であり、大麦はグルテンの素となる成分を含んでいないことから、もち麦にはグルテンは含まれていません。しかし、製造過程での交差汚染に注意が必要です。グルテンフリーを取り入れたい方や、グルテンアレルギーの方はもち麦を購入する際は必ず商品に表示されている記載を確認しましょう。
また今回は、もち麦と他の麦の違いについてもご紹介しました。それぞれの特性を理解し健康やダイエットに生かしていただければと思います。
管理栄養士 上田 光世
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